芸術学

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
高橋 裕子 教授 4   通年 3

授業の目的・内容

「芸術」について、あるいはその一分野、たとえば絵画について、多くの人はさまざまな漠然とした通念を持っています。「芸術」は生活にゆとりがあれば持ちたい「飾り」だ、とか、現実的に見える絵は画家が「見たまま」を写したものだ、というふうに。その通念を問い直し、新しい視点や知識を提供することによって、芸術に対する受講者の新たな関心を刺激し、理解を深めることをめざします。主要な例としては西洋美術、ことに絵画を中心に話しますが、比較例として他の芸術分野、他の地域の美術にも言及します。特に哲学科の1年生で美学美術史系を希望する人は、ぜひ受講してください。

授業計画

イントロダクション
さまざまな制作目的
作品と「場」
美術館の成立
作品とタイトル
ジャンル固有の問題(1)風景画
ジャンル固有の問題(2)風俗画
ジャンル固有の問題(3)静物画
ジャンル固有の問題(4)肖像画
10 ジャンル固有の問題(5)歴史画
11 ジャンル固有の問題(6)宗教画
12 ジャンルにおけるさまざまな越境
13 絵と言葉(1)
14 絵と言葉(2)
15 伝統の力(1)創作活動の文脈として
16 伝統の力(2)模倣と創造
17 絵画固有の問題(1)平面装飾としての絵画
18 絵画固有の問題(2)デザインと構図
19 絵画固有の問題(3)空間表現
20 絵画固有の問題(4)材料の効果
21 諸芸術比較論(1)絵画と彫刻
22 諸芸術比較論(2)造形芸術と時間芸術
23 諸芸術比較論(3)造形芸術と時間芸術(続き)
24 芸術研究の方法論(1)ヴェルフリンと様式史
25 芸術研究の方法論(2)パノフスキーと図像解釈学
26 芸術の「価値」(1)傑作の条件
27 芸術の「価値」(2)美術館のその後−−神殿か娯楽施設か

授業方法

スライド(パワーポイント)を用いた講義。教科書を使用し、補足としてプリントも配布します。

成績評価の方法

第1学期 (学期末試験) :試験を実施する
第2学期 (学年末試験) :試験を実施する

教科書

スーザン・ウッドフォード絵画の見方ミュージアム図書2005
教科書は、第2回目の授業時に教室で販売します(出版社から直接購入するので、割引価格になります)。

参考文献

開講時および授業の際に紹介します。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

毎回出席をとることはしませんが、授業は単に教科書に沿って進めるわけではなく、その内容をさまざまな角度から補ったり、再検討したりします。教科書には掲載されていない多くの作品例もスライドで示します。したがって、出席しなくとも教科書を読めば試験に合格する——ことは保証しません。自主的・意欲的な出席を期待します。授業のあとの質問も歓迎です。