歴史に見る日本

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
第1学期 遠山 美都男 講師
第2学期 鵜飼 政志 講師
4   通年 4

遠山 美都男 講師 (第1学期) 乙巳の変から見た大化改新論

授業の目的・内容

古代律令制国家建設の起点となったとされる大化改新。その実態を明らかにするには大化改新の契機となった政変=乙巳の変の実像とその意義を解明する必要があります。授業では皆さんの知らない政変をめぐる人間関係や事件の展開についてお話します。

授業計画

ガイダンス
大化改新研究のながれ(1)
大化改新研究のながれ(2)
乙巳の変はどのように描かれてきたか?
王位継承の諸段階(1)
王位継承の諸段階(2)
王権と藤原氏の歴史(1)
王権と藤原氏の歴史(2)
乙巳の変をめぐる人間関係(1)
10 乙巳の変をめぐる人間関係(2)
11 乙巳の変の展開過程(1)
12 乙巳の変の展開過程(2)
13 まとめ─乙巳の変の実像と意義

授業方法

講義中心ですが、授業中に小レポートを課す予定です。

成績評価の方法

第1学期 (学期末試験) :試験を実施する

教科書

遠山美都男天智と持統』(講談社現代新書講談社2010

参考文献

遠山美都男大化改新』(中公新書中央公論新社1993
遠山美都男蘇我氏四代─臣、罪を知らず』(ミネルヴァ日本評伝選ミネルヴァ書房2006
遠山美都男天皇と日本の起源』(講談社現代新書講談社2003
中村修也偽りの大化改新』(講談社現代新書講談社2006

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

鵜飼 政志 講師 (第2学期) 生麦事件・薩英戦争・下関戦争

授業の目的・内容

幕末の生麦事件・薩英戦争・下関戦争を題材としながら、明治維新の理想と現実について講義していきます。学校教科書などには、これらの事件を通して、薩摩藩や長州藩が攘夷運動を断念してイギリスに接近し、討幕勢力に成長していったとか、敗北したことで西洋との力の差を実感し、日本の近代化を目指していったと描かれていますが、ほとんど史実を無視した、作為的理解にすぎません。しかし、そうした「でたらめ」な理解にも、日本の近代史を考えた時、意味があったのです。講義をとおして、昨今における郷土史ブーム、文学や小説の世界にすぎない歴史物語の幻想から距離をおき、歴史を客観的にみつめることの重要性を考えてみてください。そして、明治維新の歴史そのものが、後年の日本社会が創造した「物語」的な要素を帯びているが、そうした歴史観もまた時代とともに変化していることを理解してください。

授業計画

ガイダンス
明治維新史はいかに語られてきたか
幕末の攘夷運動と対外関係
生麦事件 1
生麦事件 2
薩英戦争 1
薩英戦争 2
その後の薩摩藩
創造される生麦事件・薩英戦争の歴史
10 下関戦争 1
11 下関戦争 2
12 下関戦争 3
13 その後の長州藩
14 創造される下関戦争の歴史
15 大砲から日本の近代は決して始まらない
史実に即して授業をすすめます。したがって、たんに郷土の歴史や関係人物の軌跡にしか興味・関心がない人、歴史をたんなる雑学的教養と考えている人には、決して愉快とはいえない内容になるので覚悟してください。

授業方法

講義形式

成績評価の方法

第2学期(学年末試験を予定)

参考文献

講義中に随時教示します。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

歴史を固定観念で捉えない学生の受講を期待します。「聴く」姿勢を重視します。授業中に睡眠する人・内職をしたりする人は歓迎しません。態度が劣悪な場合、退室してもらうことがあります。