国際政治演習

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
村主 道美 教授 4 3~4 通年 5

授業の目的・内容

第二次世界大戦とその前後の比較的考察


今年度の国際政治演習では、一昨年度の国際政治演習と似た形で、第二次世界大戦を中心とした勉強をし、しかし一昨年度と同様になってもつまらないので、できるだけ他の戦争あるいは他の時代との比較、あるいは全然別の発想からの比較(たとえば「三国志」とか孫子とか、カウテイリアの「実利論」とか)を行いながら議論する形にしたい。また、第二次大戦中に、欧米やアジア以外ではどうであったかを考えることも必要であろう。
私たちは特にWWIIを否定的なものとして見ているので、そこでいわゆる「思考停止」が起こり、その個々の場面(誰がどう認識していたか、誰がどう行動すれば良かったか)について考えないことが多いように思う。
比較的時間をかけて読みたいのはチャーチルの第二次世界大戦回顧録である。しかしこれにはあまり登場しないアジア太平洋の状況は別個考える。またホロコーストについても考えてみたい。これについては、映画SHOAHを見ながら考え、英語の文献をいくつか読みたい。またスターリン時代についても考えてみたい。これにはドイチャーのスターリン伝、トロツキー伝を用いるのがいいのではないかと考えている。また毛沢東の持久戦論を読み、この時期に彼が何を考えていたかをも考えたい。また戦後、文化大革命にかけて消されていった中国の革命家たちの勉強もできればしたい。クラスは毎回、ある程度の分量の読書について担当者に報告してもらい、それをもとに議論する。後半には、各人の自由研究(これは必ずしも第二次大戦関係ではなく、例えば前年度からの継続で中東、アフリカなどに関心のある人はそれを継続すればよい)の発表のために時間を使いたい。
参加希望者は、次のようなレポートを提出してほしい。
誰でもいい、身近な人でも、そうでなくともよい、少なくとも一人の人物に、その人にできるかぎり詳しく第二次世界大戦とは何か(つまり、どこでどういうことが起こり、どのように展開していったか、という具体的なこと)を聞き、その人がその聞かれた瞬間に何も見ないで答えられることを答えてもらって、それをまとめなさい。(それが正しい必要は全然ない、むしろどこが抜けているか、どこが間違っているかをあとで考えることが目的なのである。)自分が話を聞いた人の簡単なプロフィールをもつけて。(年齢、性別、仕事など)
そしてそのまとめたものについて、1-2ページ程度で論じなさい。
長さの制限はないが、標準で全体としてA4で2-3枚程度。

授業計画

Orientation
実利論
第二次世界大戦回顧録
スターリン伝
実利論
第二次世界大戦回顧録
スターリン伝
持久戦論
第二次世界大戦回顧録
10 日本の戦争
11
12
13 文革
14
15 自由研究発表
16
17
18
19
20

授業方法

各回1冊本を読む程度の進度としたい。

成績評価の方法

レポートおよびクラス参加の質

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

履修者が多いほど、単位を取れない学生も多くなるだろう。
基本的に、来るものは拒まず、としたいが、積極的に参加してもらえない人は、結局その人自身が嘆く結果になるだろう。