政治学Ⅳ
数理政治学(ゲーム理論と空間理論)

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
福元 健太郎 教授 2 3~4 第2学期 3

授業の目的・内容

数理政治学とは、政治現象を、モデルにより抽象化して解明する学問である。本講義では、ゲーム理論と空間理論を扱う。ゲーム理論とは、TVゲームの攻略法ではもちろんなく、政治におけるプレーヤーが、お互いの将来の行動を深読みし合う中で、政治を展開していく状況を説明する理論である。空間理論とは、政治におけるプレーヤーを数直線や平面上に位置づけ、彼らが政策の位置を自分の位置に近づけようとすると考える理論である。例として、恋人同士の駆け引き、サークルの運営といった身近なところから、政治家と官僚のせめぎ合い、利益団体の圧力活動、果ては国際政治に至るまで、いろいろな政治現象を扱いながら、これらの理論を解説する。

授業計画

序章 はじめに
第1章 基礎
  第1節 合理的対応とナッシュ均衡
  第2節 1次元政策空間
  第3節 多次元政策空間
第2章 動学ゲームと制度
  第1節 未来の合理的予想と部分ゲーム完全均衡
  第2節 議題設定権と制度的均衡
  第3節 修正権と均衡的制度
  第4節 繰り返しゲーム
第3章 不確実性と情報の伝達
  第1節 情報集合・信念・混合戦略
10   第2節 効用の不確実性とベイジアン・ナッシュ均衡
11   第3節 過去の合理的信念と完全ベイジアン均衡
12   第4節 評判
13   第5節 専門知識と代理人

授業方法

講義。

成績評価の方法

試験は実施しない。学年末レポートによって成績を評価する。基準は、別掲されている政治学科の「成績評価のガイドライン」に従う。課題は「政治に関わる事例を2つ取り上げ、それらが何故起きたかをゲーム論を用いて説明しなさい」という趣旨のものである。

参考文献

ロバート・ギボンズ経済学のためのゲーム理論入門創文社1995
曽我謙悟ゲームとしての官僚制東京大学出版会2005
小西秀樹公共選択の経済分析東京大学出版会2009