● 現代社会思想Ⅰ
―新自由主義論―

この講義は、新自由主義の思想的背景を理解することを目的とする。
ここでは特に、新自由主義の最大の人物であるハイエク（Friedrich August von Hayek）の著作について、担当者の最近の研究結果をもとに丹念に解説していくことにしたい。

１	イントロダクション（ハイエクの横顔、研究史など）
２	初期の経済理論の概説
３	『個人主義と経済秩序』：知識論
４	『隷従への道』：社会主義批判
５	『科学の反革命』：科学方法論
６	『感覚秩序』：心理学
７	小テスト
８	『自由の条件』（１）：自由
９	『自由の条件』（２）：法の支配
10	『自由の条件』（３）：福祉政策
11	『貨幣発行自由化論』：通貨政策
12	「説明の程度」、「複雑現象の理論」：科学方法論の変化
13	『法と立法と自由』（１）、『致命的な思いあがり』：社会進化論
14	『法と立法と自由』（２）：社会正義批判
15	『法と立法と自由』（３）：議会制改革案

講義による。
資料を配布し、それを読み解いていくことが中心となる。

小テスト（１回）とレポート（１回）によって判定する。

資料を配布する。

『新版 ハイエク全集』春秋社、2007‐年
嶋津格『自生的秩序』木鐸社、1985年
エイモン・バトラー、鹿島信吾・清水元訳『ハイエク』筑摩書房、1991年
山中優『ハイエクの政治思想』勁草書房、2007年
その他は授業時に指示する。

検討対象の特質上、幅広い学問領域を扱うことになる。予備知識は必要ないが、そのことを踏まえて受講すること。