● 国際金融論

為替レートの動きが毎日のテレビ・ニュースで刻々と伝えられることに代表されるように、国際金融取引は私達の経済活動に深い関わりを持ち、企業活動から日常生活まで国際金融抜きに経済分析は出来ない状況となってきている。本講義では、国際通貨制度、国際金融取引と為替レート決定の理論、ならびに、国際資本移動と国際金融危機の理論を中心に、国際金融と企業や個人の経済活動との関係、ならびに、国内経済政策との関わりを検討する。
講義に参加し、自分で考え分析することを繰り返す中で、為替レートを始めとして、国際金融と関わる経済の動きを観察する力と、自力で分析する力を身につけ、社会に出てから活用することが出来る内容とする。

１	国内経済取引と対外経済取引
２	外国為替
３	（１）外国為替と為替レート（金利平価の基本的考え方）
４	（２）外国為替市場
５	国際通貨制度
６	（１）金本位制度・金為替本位制度
７	（２）調整可能な固定的金・ドル本位制度（ブレトン・ウッズ体制）
８	（３）変動相場制度
９	（４）欧州通貨同盟の発足とユーロの導入
10	国際金融市場と国際資本移動
11	（１）銀行取引
12	（２）証券取引
13	（３）国際金融センター
14	石油ショックとオイル・マネー
15	途上国債務問題
16	米国の債務国化と為替レート問題
17	アジア経済危機と世界経済の混乱
18	為替レート決定の理論
19	（１）マンデル・フレミングモデル
20	（２）アセット・アプローチ ①マネタリスト・モデル ②オーバーシューティング・モデル ③ポートフォリオ・バランス・アプローチ
21	国際資本移動と国際金融危機
22	（１）ファンダメンタルズを重視する考え方（第一世代モデル）
23	（２）投資家の予想形成を重視する考え方（第二世代モデル）
24	（３）「資本収支危機」と制度要因を重視する考え方
25	サブプライムローン・バブルと世界的金融危機の発生

以上のテーマ毎に、日本経済および世界経済で現実に生じている国際金融の事例を検討しつつ、理論を学び、分析することを基本型とする。

第2学期 （学年末試験） ：試験を実施する

夏期レポートの提出については講義の中で説明する。

貝塚啓明、奥村洋彦、首藤恵『金融（エッセンシャル経済学シリーズ）』第２版、東洋経済新報社、2002年

講義の中で紹介する。

第1回目の授業に必ず出席のこと。

【履修要件】既修が望ましい授業科目：（１）基礎マクロ経済学（２）基礎ミクロ経済学（３）統計学入門