哲学講義
生と意志の哲学(ショーペンハウアー・ニーチェ・シェリング)

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
板橋 勇仁 講師 4 2~4 通年 2

授業の目的・内容

19世紀の近代ドイツ哲学における、「Leben(生)」と「Wille(意志)」とをめぐる哲学的な思想は、20世紀以降のヨーロッパ現代哲学にいまなお大きな影響を与え続けている。この「生と意志の哲学」の主題は、近代が行き着いた価値の虚無化(ニヒリズム)の自覚と、その克服の模索にあった。ショーペンハウアーとニーチェの哲学的思索を辿りながら、生と意志の哲学とは何か、その何が現代哲学に影響を与えているのかについて、検討していきたい。なおその際には、両者の思想的源流をシェリングの哲学に見定める試みも行うことで、現代哲学では普通に使用される「生」や「意志」という概念は、そもそもどのような出自と文脈を持つ概念なのかについても洗い出していきたい。

授業計画

ガイダンス
ショーペンハウアーの生涯と思想
ショーペンハウアー『充足根拠律』と『意志と表象としての世界』(1)
ショーペンハウアー『充足根拠律』と『意志と表象としての世界』(2)
『意志と表象としての世界』における「表象」と「意志」(1)
『意志と表象としての世界』における「表象」と「意志」(2)
『意志と表象としての世界』における「表象」と「意志」(3)
『意志と表象としての世界』における「表象」と「意志」(4)
『意志と表象としての世界』における「意志の否定」(1)
10 『意志と表象としての世界』における「意志の否定」(2)
11 『意志と表象としての世界』における「意志の否定」(3)
12 『意志と表象としての世界』における「意志の否定」(4)
13 『意志と表象としての世界』における「意志の否定」(5)
14 ニーチェの生涯と思想
15 ニーチェ『悲劇の誕生』
16 ニーチェと生理学
17 ニヒリズムと永遠回帰をめぐるニーチェの哲学(1)
18 ニヒリズムと永遠回帰をめぐるニーチェの哲学(2)
19 力への意志と生の肯定をめぐるニーチェの哲学(1)
20 力への意志と生の肯定をめぐるニーチェの哲学(2)
21 ショーペンハウアーとニーチェの哲学の異同。ならびに両者の源流としてのシェリング
22 シェリングの生涯と思想
23 シェリング『ブルーノ』
24 シェリング『自由論』
25 まとめ(1):ショーペンハウアー・ニーチェ・シェリング
26 まとめ(2):生と意志の哲学の可能性

授業方法

講義を主体とするが、毎回提出してもらうリアクション・ペーパーを活用し、適宜質疑応答を交える。

成績評価の方法

講義への参加状況、リアクション・ペーパーの内容、両学期末提出のレポートの内容についての総合評価

教科書

特になし

参考文献

その都度指示する

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

なお毎回リアクション・ペーパーを提出してもらうので、主体的に参加する意志をもって受講すること