英語文化コース演習D
英米文学における恋愛と結婚

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
第1学期 田辺 千景 准教授
第2学期 中野 春夫 教授
4 3~4 通年 2

田辺 千景 准教授 (第1学期)

授業の目的・内容

アメリカ文学に描かれた恋愛や結婚のかたちを、同時代の社会的背景とともに考察することによって、アメリカの女性の特徴はなにか、そしてアメリカ文学とはどのような文学なのかについて学ぶ。

授業計画

イントロダクション
少女の恋:Charlotte Temple(1)
少女の恋:Charlotte Temple(2)
少女の恋:Charlotte Temple(3)
アメリカ娘とイタリア流恋愛作法:Daisy Miller"(1)
アメリカ娘とイタリア流恋愛作法:Daisy Miller"(2)
アメリカ娘とイタリア流恋愛作法:Daisy Miller"(3)
黒人女性の絆:The Color Purple(1)
黒人女性の絆:The Color Purple(2)
10 黒人女性の絆:The Color Purple(3)
11 黒人女性の絆:The Color Purple(4)
12 まとめ

授業方法

毎回担当者が発表し、その発表内容についてクラス全員でディスカッションする。発表者はレジュメを用意すること。

成績評価の方法

レポート
平常点(出席、授業への貢献度)、発表、学期末レポートを総合的に評価する。

教科書

授業時に指示する。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

中野 春夫 教授 (第2学期)

授業の目的・内容

本演習の第2学期を中野が担当します。ところ変われば品変わるで、シェイクスピア時代のイングランド社会は婚姻関係を成立させる法的要件が今日とはいちじるしく異なり、今日の社会では想像できないようなトラブルが発生していました。また出会いから結婚に至るまで恋人たちが自明としていた社会コードもまったく異なり、この社会コードから外れた付き合い方をするとしばしば恐ろしい悲劇が生まれました。この演習(第2学期)では『夏の夜の夢』や『ロミオとジュリエット』など、シェイクスピアのよく知られる作品の一場面を読みつつ、その場面に投影する同時代の願望、欲望、不安、恐怖を解説します。

授業計画

シェイクスピア時代のイングランド社会における婚姻制度の解説――「婚姻契約(spousal)」の条件
シェイクスピア時代のイングランド社会における婚姻制度の解説――「婚姻関係(matrimony)」 の法的拘束力
シェイクスピア時代のイングランド社会における婚姻制度の解説――2種類の「離婚(divorce)」 形態
「秘密婚」によるトラブル、その1――『ロミオとジュリエット』
「秘密婚」によるトラブル、その2――『尺には尺を』
捨てられた女性の一発逆転劇、その1――『夏の夜の夢』
捨てられた女性の一発逆転劇、その2――『から騒ぎ』
捨てられた女性の一発逆転劇、その3――『終わりよければすべてよし』
捨てられた女性の悲劇ヴァージョン――『ハムレット』
10 婚姻制度が生み出す殺人、その1――『オセロ』
11 婚姻制度が生み出す殺人、その2――『リア王』
12 ふられた男性のステレオタイプ的行動――『ロミオとジュリエット』
13 まとめ

授業方法

最初の3回は講義形式による概説、その後は演習形式になります。テクストは2回目に配布いたします。そのさい受講者に担当箇所を割り当てます。

成績評価の方法

第2学期 (学年末試験) :試験を実施する
出席点と試験によって評価します。

教科書

中野春夫恋のメランコリー―シェイクスピア喜劇世界のシミュレーション研究社2008年、ISBN:9784327481520
中野春夫シェイクスピアの英語で学ぶここ一番の決め台詞マガジンハウス2002年、ISBN:4838713193

履修上の注意

履修者数制限あり。(30名)
第1回目の授業に必ず出席のこと。