文学・文化 講義(2)
ドイツ・オペラとRichard Strauss

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
光野 正幸 講師 2 1~4 第2学期 4

授業の目的・内容

十九世紀以降に認められる「ドイツ・オペラ」の自立の過程と、その到達点としてのリヒャルト・ヴァーグナーの意義については第1学期の「文学・文化講義(1)」で考察するが、本授業ではその「続講」として、「ヴァーグナー以後」の「ドイツ・オペラ」を採りあげる。考察の中心は、二十世紀のドイツを代表する作曲家リヒャルト・シュトラウスの作品、ということになるが、第1学期と同様に、オペラというジャンルが抱える(「創造芸術」の対概念としての)「再現芸術」の側面にも注目し、現代におけるオペラ上演の問題点をも考察の対象としたい。

授業計画

イントロダクション ~「オペラ」研究の多様性をめぐって{再説}~
オペラ史概観(1)~オペラの「誕生」からヴァーグナーまで{再説}~
オペラ史概観(2)~ヴァーグナー以後~
音楽史上のリヒャルト・シュトラウス{概論}
リヒャルト・シュトラウスのオペラ(1)~『サロメ』~
リヒャルト・シュトラウスのオペラ(2)~『エレクトラ』~
リヒャルト・シュトラウスのオペラ(3)~『ばらの騎士』~
リヒャルト・シュトラウスのオペラ(4)~『ナクソス島のアリアドネ』~
リヒャルト・シュトラウスのオペラ(5)~『影のない女』~
10 リヒャルト・シュトラウスのオペラ(6)~『アラベラ』~
11 リヒャルト・シュトラウスのオペラ(7)~『カプリッチョ』~
12 番外篇: クリスマス・シーズンのオペラ ~フンパーディンク『ヘンゼルとグレーテル』~
13 まとめ ~「ヴァーグナー以後」とオペラの「現在」~
「綜合芸術」たるオペラを題材に採りあげる以上、当然のことだが、話は文学や思想、美術にも、また文化政策一般にまでも「飛び火」することが多くなる筈で、いわば文化史研究のケース・スタディとしての「オペラ論」を展開する予定。

授業方法

時間の許すかぎりDVDを利用して、採りあげる作品の上演例を紹介しながら講義を進める。

成績評価の方法

第2学期 (学年末試験) :試験を実施する
履修者数によっては、学年末試験に代えてレポート提出を課すことも考える。

参考文献

ウィリアム・マン(原田 茂生監訳)リヒャルト・シュトラウスのオペラ第三文明社1997年、ISBN:9784476031904
岡田 暁生オペラの運命 ~十九世紀を魅了した「一夜の夢」~』(中公新書中央公論新社2001年、ISBN:9784121015853
許 光俊コンヴィチュニー、オペラを超えるオペラ青弓社2006年、ISBN:9784787272133
その他、随時指示する。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

これまで、オペラという芸術ジャンルにほとんど触れたことがない、あるいはオペラとミュージカルはどこが違うのかわからない、という若者が多いだろうが、そういうレヴェルの学生諸君にも、近代ヨーロッパ文化の構成要素として最も重要と言っても過言ではないこのジャンルに、関心の眼を向けてもらいたい。