○微分積分Ⅰ 数1年

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
谷島 賢二 教授 4 1 第1学期週2回
4
3

授業の目的・内容

微分積分学は解析学の基礎であると同時に数学全般のみならず自然科学・工学に欠かせない道具である。さらに、数学科での微分積分は、極限とか連続性とか「無限」にまつわる理論・論理に初めて直面する場であり、そこでの修練が数学科で数学的な考え方を広く学ぶための基礎となることが期待されている。この講義と演習では、微分積分のこの性格をふまえて、基礎(論理)と応用(計算)をバランスよく学ぶことをモットーとするが、基礎的理解を徹底することにやや重点を置くことになろう。微分積分I演習とセットで履修することを必要とする。どちらか一方だけの単位取得は認めない。

授業計画

実数の連続性の公理、有界な単調数列
上限・下限
数列の極限、部分数列
集積点、ワイエルシュトラスの定理
上極限、下極限
コーシー列、コーシーの条件と数列の極限
無限級数理論、正項級数、絶対収束、条件収束
無限級数の収束判定法
関数の極限値、連続関数
10 連続関数の性質、最小値・最大値の存在
11 連続関数の性質、中間値の定理
12 逆関数、逆三角関数
13 連続関数、一様連続性
14 微分積分の基礎理論:導関数と原始関数
15 微分法の演算、合成関数の微分法
16 逆関数の微分法、逆三角関数の微分
17 微分法の理論、平均値の定理とその応用
18 高階導関数
19 テイラー展開
20 指数関数と三角関数のテイラー展開
21 指数関数と三角関数の関係、オイラーの公式
22 一般二項定理
23 極値
24 不定積分の求め方
25 逆三角関数と不定積分
26 有理関数の不定積分、部分分数展開
27 無理関数の不定積分、その1
28 無理関数の不定積分、その2
29 まとめ
30 試験
以上は1学期における講義の重要項目で実施回ごとの講義の内容ではない。

授業方法

板書による講義形式。毎週2回の講義があるが片方の時間だけ履修することはできない。両方の講義を聴く必要がある。

成績評価の方法

第1学期 (学期末試験) :試験を実施する
中間試験を行う。成績評価は中間試験、期末試験ならびに微分積分1演習の成績を総合して、微分積分1演習とセットで行う。

教科書

吹田 信之・新保 経彦理工系の微分積分学学術図書出版1987

参考文献

黒田成俊微分積分』(21世紀の数学共立出版2002
高木貞治解析概論岩波書店
黒田成俊著「微分積分」は理論の解説が丁寧で読みやすい。自分の力で学習する人に向いている。この本の定理の証明などの記述法と表現法は、学生諸君が答案の解答をしたりレポートの作成をしたりする際の記述の模範となる。
高木貞治著「解析概論」は大事なことが簡潔に大変うまく書いてある。内容豊富な名著で、これ一冊の内容を完全に理解すれば、どこに出ても恥ずかしくない。文章もすばらしいが言葉使いがやや古めかしいかもしれない。また4年生になっても使える。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。