● 線形代数Ⅰ　数１年
―行列と行列式―

線形代数学は、数学のあらゆる分野に現れ応用される基礎的な理論であり、微分積分学と同様、数学科の学生が『常識』として確実に身につけておくべきものである。本講義および「線形代数Ⅱ」はその入門である。「Ⅱ」で展開する抽象的なベクトル空間論の準備として、「Ⅰ」では、数ベクトルと行列、連立１次方程式の解法、および行列式の理論を学び、それらに関する演算に習熟することを主な目標とする。

１	行列、ベクトルの導入、行列の演算
２	行列の積とその性質
３	行列の基本変形と標準形
４	行列の階数、連立１次方程式
５	連立１次方程式の一般的解法
６	正則性、逆行列
７	基本変形による逆行列の計算
８	置換、行列式の導入
９	行列式の性質、多重線形性および交代性
10	余因子および行列式の展開
11	クラメルの公式
12	小行列式による階数の特徴付け
13	いろいろな行列式

細かい内容については、必ずしも上記の順序で進むとは限らない。

講義形式

第1学期 （学期末試験） ：試験を実施する

学期末試験のほかに中間試験を実施し、それらの成績によって評価
する。演習での解答実績も加味する。

三宅敏恒『線形代数学 - 初歩からジョルダン標準形へ』培風館、2008年、ISBN:9784563003814

講義中、適宜指示する。

第1回目の授業に必ず出席のこと。