● 無機化学特論Ⅰ

圧力は温度と並んで、物質の性質・構造を変化させる重要なパラメータである。実際に、無機結晶物質は高圧下で様々な構造変化を示す。この授業では、高圧高温実験技術について最初に解説し、高圧による無機結晶の相転移の結晶化学、熱力学について述べる。また熱測定を中心に各種の物性測定についても述べ、相転移による熱力学的性質などの変化を解説する。さらにケイ酸塩鉱物の高圧相転移とその地球惑星科学への応用についても述べる。

１	はじめに−高圧高温の世界
２	高圧実験の原理
３	高温高圧実験技術
４	高圧相転移の結晶化学
５	無機化合物の高圧相転移
６	高圧相転移の熱力学
７	熱測定実験（１）
８	熱測定実験（２）
９	固溶体の熱力学
10	高圧相平衡関係の熱力学的解析
11	ケイ酸塩鉱物の高圧相転移
12	地球惑星科学への応用（１）
13	地球惑星科学への応用（２）

講義形式

出席、レポート

A. Navrotsky, Physics and Chemistry of Earth's Materials, Cambridge University Press, 1994
毛利信男編『新しい高圧力の科学』講談社サイエンティフィク、2003年
鳥海、河村、大野、赤荻、川嵜、清水『地球惑星物質科学』（「地球惑星科学」第5巻）岩波書店、2010年
その他、講義中に適宜指示する。

第1回目の授業に必ず出席のこと。