英語R(上級)史ⅡA
パラグラフリーディングとリスニングの基礎

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
岩崎 博 講師 2   通年 2

授業の目的・内容

英語の文章を効果的に読む技術と、基礎的なリスニング能力を身に付けることを目標とする。
リーディングに関しては、パラグラフの論理的な構造に目を向け、その趣旨を的確につかむことによって、多量の英文を読みこなす能力を養う。特に、トピックセンテンスを中心に、文章を要約する方法を学ぶ。また英語の論文を通して論理的に考える力を身につけたい。テキストに収録されている論文は、美術、科学、文化、言語、環境、歴史など様々な分野を扱っており、知的刺激に満ちていると思う。特に、トピックセンテンスを中心に、文章を要約する方法を学ぶ。また英語の論文を通して論理的に考える力を身につけたい。テキストに収録されている論文は、美術、科学、文化、言語、環境、歴史など様々な分野を扱っており、知的刺激に満ちていると思う。 
リスニングの方は、最新のニュース映像を教材に用いて聞き取りを行う。英語特有の音声に慣れ、先を予測する能力を養うことで、リスニング能力の大幅な向上を目指す。また、その時事的な内容を通して、今世界で何が起きているのか理解と関心を深めたい。政治、外交、災害、テロ、文化、自然、環境、健康・医療など幅広い分野から、世界の動きを知る上で重要で興味深いニュース映像を選び教材を作成したいと思っている。特に今年はアメリカ大統領選挙の年なので、その関連のニュースを追いかける予定。

授業計画

授業の説明とリスニング(授業を受けるにあたっての重要事項の確認をした後リスニングを行う)
以下リーディングの進行予定
Session1 What a Painting Can Tell Us
この論文では、絵画に隠された物語を読み解く際の、筆者の論理的展開の方法に注意し、芸術作品の解釈の方法や説得力のある主張の仕方を学ぶ。
リーディングスキルとしては、パラグラフの構造を理解する。筆者の主張を裏付けるトピックセンテンスと、その根拠を示す支持文を区別することによって、パラグラフの内容を大まかにつかみ要約する力を養い、論理的な文章を効果的に読むことができるようにする。
Session2 Split-Brain Research
右脳・左脳の機能の違いを世に知らしめた有名な事例を紹介する論文を読む。両脳間の機能上の最大の違いは、片方の脳のみが言語を扱うということに起因するという興味深い事実を学ぶ。
リーディングスキルとしては、科学的論文の構造を理解する。また、図解を参照しながら英文を読む訓練をする。
10 Session9 On Speaking on Speaking
言語の変化生成に関する仮説を扱う論文を読む。言語は原初の形を痕跡として残しつつ絶えず変化し続けること、人間には言語を生み出す普遍的能力があることを学ぶ。また、一般的には理解されていない、あらゆる言語に見られる普遍的性質のいくつかを知る。
リーディングスキルとしては、トピックセンテンスと支持文の関係をより深く理解し、筆者の主張をより正確に把握する能力を養う。パラグラフの内容を自分の言葉で要約できるようする。さらに、パラグラフ間のつながりにも留意することによって、論理の展開の仕方を学ぶ。
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14 Session 14 Teenage Nation
Teenagerという概念が現れた背景を歴史的に考察する論文を読む。Teenagerの出現には、産業革命による労働形態の変化、教育の普及、大量消費社会の到来など、大きな社会的変革が関わっていることを理解する。現在では常識とされている事柄でも、過去においては極めて希少・斬新であったことを知ることにより、新たな事実を理解するためには現在の常識を疑わなくてはならないということを学ぶ。
リーディングスキルとしては、パラグラフ内の論理的展開に留意することにより論拠の妥当性を緊密に検証し、批判的に文章を読む術を学習する。
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18 Session 17 Ecology
エコロジーの入門書的論文を読む。この論文はコンパクトながら、エコロジーの定義から始まり、生物圏の区分、食物連鎖、生物濃縮、生態遷移などに言及し、エコロジーの最も重要な分野をわかりやすく解説している。また、生態学的知識を吸収することによって、現在我々を取り巻く環境問題を考える。
リーディングスキルとしては、ひとつの主張をひとつのパラグラフに端的に記述する方法を学ぶ。
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22 Session 18 Columbus: From Hero to Fall Guy
コロンブスが歴史上の偉人から、南米を侵略し社会を破壊した悪人に評価が変わった原因を考察する論文を読む。この論文は歴史的記述であるとともに、コロンブスの評価の変化の背景を追うことによって、歴史そのものがいかに作り出されるかということにも言及しており、極めて興味深い。歴史が産出される構造を知ることにより、歴史的事実とは決して客観的事実なのではなく、政治的意図が反映されたものの見方、すなわちある特権的な視点から事象を見るひとつの解釈であることを理解し、ひいては歴史とは何かを考察する。
リーディングスキルとしては、論理的に難解な文章を読む際に必要な文脈のたどり方に重点を置く。ある文の意味を理解するということは、その文脈を理解することであるということ、言い換えると、文の意味は文脈によって作り出されるという基本的事実を理解する。
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26 Session 11 Disneyland: America's Sacred Land
ディズニーランドの人気の理由を論じるエッセイを読む。ディズニーランドの背後には、アメリカを中心とした歴史観、アメリカを代表する中西部の白人中流階層の保守的な理念があることを学ぶ。
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リスニングの方は、アメリカの三大ネットワークABC、CBS、NBCなどのニュース映像を教材に使う。毎回教材を作成するのでどのようなニュースを扱うか今のところ未定。

授業方法

毎回授業の前半にリスニングを行う。主に最新のニュース英語を聞き、そのスクリプトの穴埋めを行う。英語の音声上の特徴を知るとともに、シャドーイングというリスニングの学習法を実践する。教材は毎回配布する。
後半に学生によるパラグラフの要約または和訳を中心にテキスト収録の論文を読む。

成績評価の方法

第2学期 (学年末試験) :試験を実施する

教科書

東京大学教養学部英語教室編, The Universe of English, 東京大学出版会, ISBN:4130821008

履修上の注意

履修者数制限あり。
第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

近年、遅刻する学生が多いのが気になります。リスニングをしている他の学生の迷惑になるので、なるべく遅刻はしないで下さい。毎回予習が必要です。教師と学生の対話を通して出来るだけ双方向の授業を行いたいと思いますので、学生からの積極的な発言、質問を期待しています。