担 当 者 | 単 位 数 | 配当年次 | 学 期 | 曜 日 | 時 限 |
塚本 昌則 講師 | 4 | 3~4 | 通年 | 水 | 4 |
初めにシェフェールが『なぜ、虚構なのか?』(一九九九年)で展開している議論を、テクスト読解と要約を交えて紹介します(1〜3回)。その後はジッドの『贋金つくり』(一九二五年)を講読します。ブルトンの『シュルレアリスム宣言』(一九二四年)と同時代のこの小説は、「現実が提供する事実と、観念的な現実との闘争」そのものを主題としています。この作品の読解を通して、虚構そのものを主題とする小説が書かれた時代背景を探り、このメタ・フィクションの射程を考察します。 第2学期は、最初にジュネットの『フィクションとディクション』(一九九一年)を、テクスト読解と要約を交えて紹介します(16〜17回)。この虚構論では読者の存在が大きく問題にされています。このテーマをめぐって、フロベール『ボヴァリー夫人』など〈読書〉が大きな意味を持つ小説の一部、さらには批評家ロラン・バルトや歴史家ロジェ・シャルチエなどの読書論をプリントで講読する予定です。 |