原価会計

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
井岡 大度 講師 4 2~4 通年 2

授業の目的・内容

歴史的に見ると原価計算は、製造活動を対象として製品の製造原価の測定にその主眼をおいてきた。しかしながら近年の原価計算の研究においては、その対象とする活動の範囲は、製造活動のみならず販売活動、さらには財務活動あるいは研究開発活動等へと拡張されてきている状況にある。またクラーク(J.Maurice Clark)の「異なる目的には異なる原価を」(different costs for different purposes)という言葉にもあらわされるように、原価計算が目的適合性を満たす必要性があることについては、自明のとおりである。
原価計算論の理論的な理解のための前提となる原価概念については、十分な理解が必要不可欠であるが、それとあわせて、実践技法としての原価計算方法の修得も欠かすことができない。そこで本講義においては、第1学期に、各種原価概念の本質的理解、さらに個別原価計算、総合原価計算等の各種原価計算方法の修得とその理解を目的とし、講義および必要に応じ問題演習を行う。また第2学期には、標準原価計算および直接原価計算、さらに経営管理のための原価計算の理論とその技法について講義を行い、原価会計の知識の修得を目指します。

授業計画

原価計算の意義と目的
種々の原価概念
費目別原価計算、材料費とは
費目別原価計算、材料費の計算と処理
費目別原価計算、労務費、経費の計算
費目別原価計算、製造間接費の計算
部門別原価計算(1)部門別計算の目的と意義、原価部門
部門別原価計算(2)部門別計算の方法
個別原価計算(1)個別原価計算の意義、手続、製造間接費の配賦計算
10 個別原価計算(2)作業屑、仕損費の処理
11 総合原価計算(1)総合原価計算の意義
12 総合原価計算(2)単純総合原価計算
13 総合原価計算(3)組別総合原価計算、等級別原価計算
14 総合原価計算(4)工程別総合原価計算、連産品
15 理解度の確認、まとめ、総括
16 標準原価計算(1)標準原価計算の目的と意義、標準原価、原価標準
17 標準原価計算(2)原価差異の計算と分析
18 経営意思決定のための原価概念
19 原価予測とCVP分析(1)固定費・変動費の分解
20 原価予測とCVP分析(2)CVP関係の分析
21 損益分岐分析
22 直接原価計算(1)直接原価計算の目的と意義、固定費調整、直接標準原価計算
23 直接原価計算(2)限界利益分析とリニア・プログラミング
24 意思決定会計(1)経営意思決定における原価概念、差額原価・収益分析
25 意思決定会計(2)投資決定、投資案評価の技法
26 活動基準原価計算(1)活動基準原価計算とは
27 活動基準原価計算(2)計算構造
28 原価維持、原価改善および原価企画
29 品質原価計算およびライフサイクル・コスティング
30 理解度の確認、まとめ、総括

成績評価の方法

第1学期 (学期末試験) :試験を実施する
第2学期 (学年末試験) :試験を実施する

教科書

上埜・長坂・杉山原価計算の基礎:理論と計算(第2版)第2版、税務経理協会2008