哲学講義
底なき生の哲学(西谷啓治の思索を中心にして)

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
板橋 勇仁 講師 4 2~4 通年 2

授業の目的・内容

エックハルト、ベーメ、シェリング、ニーチェ、といった中世から近代末期にいたるまでのドイツの思想家の思索と対話しつつ独自の哲学を確立した、日本の哲学者西谷啓治の思想を検討する。自由と必然、作為と自然、生と死、理性と宗教、身体と言葉、科学とニヒリズム、などの諸々の対立について思索をすることで、西谷は、生きることの意味は、生きることただそれ自身以外のどこにも見出すことはできないとする。そして、生きることに底なしに徹することを提起する。本講義では、上に述べたドイツの思想家たちの思索も考慮しながら、西谷の著作を順次検討する。そして彼の思索との対話を試みる。人間とはどのような存在なのか、人間が生きる意味はどこに見出されるのかについて受講者とともに考えていきたい。

授業計画

ガイダンス
西谷啓治の思想のバックボーン〜随想(1)ニヒリズム
西谷啓治の思想のバックボーン〜随想(2)宗教
人間の悪〜『根源的主体性の哲学』以前(1)
シェリングとの対話〜『根源的主体性の哲学』以前(2)
生の底のなさ〜『根源的主体性の哲学』(1)
エックハルトとニーチェ〜『根源的主体性の哲学』(2)
生の根源的な自然性〜『根源的主体性の哲学』(3)
神秘思想との対話〜『神秘思想史』(1)
10 ベーメとの対話〜『神秘思想史』(2)
11 自己・悪・無底〜『神秘思想史』(3)
12 体験の立場〜『宗教哲学』(1)
13 理性・哲学・宗教〜『宗教哲学』(2)
14 授業のまとめ
15 予備日
16 第1学期の復習
17 エックハルトとの対話〜『神と絶対無』(1)
18 無底と根底〜『神と絶対無』(2)
19 ニーチェとの対話〜『ニヒリズム』(1)
20 科学とニヒリズム〜『ニヒリズム』(2)
21 生のむなしさと生きる意味〜『ニヒリズム』(3)
22 虚無・死・空〜『宗教とは何か』(1)
23 空性〜『宗教とは何か』(2)
24 空と業〜『宗教とは何か』(3)
25 自由と歴史の必然〜『宗教とは何か』(4)
26 理性・哲学・宗教〜最後期の思想から(1)
27 言葉と身体〜最後期の思想から(2)
28 生きる意味〜最後期の思想から(3)
29 授業のまとめ
30 予備日
受講者が西谷の思索と対話し、主体的に思考していくことを目的として、両学期末提出のレポート2本、その他、学期中提出のレポート6本、通年で計8本(予定)のレポートを課す。

授業方法

講義を主体とするが、毎回提出してもらうリアクション・ペーパーを活用し、適宜質疑応答を交える。なお本講義のねらいを達成するために、受講者の関心や理解に応じて、上記の授業内容を適宜変更することがある。

成績評価の方法

総合評価
講義への参加状況、リアクション・ペーパーの内容、両学期末提出のレポートならびに学期中提出のレポート(通年で合計8本の予定)の内容、についての総合評価

参考文献

授業時に指示する。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

受講者が主体的に思考するために、リアクション・ペーパーを毎回提出することや、通年で8本(予定)のレポートを提出することを求め、成績評価の基準とする。
第1回目の授業に参加して、ガイダンスを受けてから履修するかどうかを決定すること。