思想史講義
インド思想・仏教思想史

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
丸井 浩 講師 4 2~4 通年 5

授業の目的・内容

3000年以上の歴史をもつインド思想を、仏教を中心に概観し、その特質を考えるとともに、今生きる私たちにとってどのような関わりがあるのか、あるいは、ありうるのかを考える。難解と思われがちなインドの哲学、あるいは仏教の哲学を、西洋哲学と比較しながら、なるべく分かりやすく理解してもらうつもりである。

授業計画

序論:インド思想史を概観するにあたって最初に知って欲しいこと
インド古代の宗教思想(バラモン教)の聖典:ヴェーダ
ヴェーダの宗教(バラモン教)の特質
古代インドと日本:日本に伝わっているインドの神々
インド最古の哲学思想の誕生
ウパニシャッドの神秘的一元論(1):無から有は生まれない(ウッダーラカの有の哲学)
ウパニシャッドの神秘的一元論(2):真実(ブラフマン)は言葉・概念を超えている(哲人ヤージュニャヴァルキヤの思想)
インドの宗教・哲学の中心概念:輪廻、業、解脱の考え方
仏教が生まれた時代に活躍した自由思想家たちとジャイナ教(1):自由思想家たち
10 仏教が生まれた時代に活躍した自由思想家たちとジャイナ教(2):ジャイナ教の厳格な修行と寛容な世界観
11 「仏教」とは何か:序論
12 ゴータマ・ブッダの生涯と教え
13 ゴータマ・ブッダの思想(初期仏教思想)の特質
14 ブッダの生涯を映像でたどる
15 自主研究日
16 仏教思想の理論体系整備と教団分裂:部派仏教の時代
17 部派仏教時代の仏教哲学(アビダルマ)
18 大乗仏教の出現:仏教の宗教改革
19 般若経と空(くう)の教え
20 般若心経から仏教を読み解く
21 華厳経と壮大な宇宙観
22 法華経の比喩と教え
23 極楽浄土を説く経典(浄土経典)
24 その他の大乗経典
25 大乗仏教の哲学とは何か
26 空の哲学:論理の力と限界
27 唯識の哲学:心の働きを分析する道
28 仏教における論理学の発展
29 仏教と現代思想
30 理解度の確認、まとめ、総括

授業方法

指定した教科書に適宜解説を加えて、仏教思想を含むインドの思想・歴史・文化について予備知識が少ない人にも理解できるように、板書や配布資料を活用しながら、分かりやすく解説する方針。特に第1学期の前半は配布資料が中心となる。また1~2回は映像を使ってインド紹介を行いたい。

成績評価の方法

第2学期 (学年末試験) :試験を実施する
出席率を加味する。

教科書

竹村牧男インド仏教の歴史』(講談社学術文庫1638第1版、講談社2004年、ISBN:4061596381
上記の教科書で足りない部分は、適宜、プリントを配布する。

参考文献

関連する参考文献は適宜、授業時に紹介する。