現代論理学演習Ⅱ
論証の分析と評価

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
三平 正明 講師 4 1~4 通年 2

授業の目的・内容

論証の正しさを研究する論理学は、すでに古代ギリシアから体系的研究が始まっているが、論理学が飛躍的な発展を遂げたのは、歴史的に見れば最近のこと、すなわち19世紀後半以降である。この授業では、ブールやフレーゲから始まる現代論理学の基礎的な部分を取り上げる。
授業の目的は二つある。一つは、現代論理学の演習を通じて、論理そのものへの関心を深めてもらうことである。私たちが日々行っている論証の中で、論理がどのように働いているのか、あらためて観察してみる。そして、観察された論理を分析し、評価するための体系的な手段を身に付けることを目指す。もう一つの狙いは、哲学への応用である。論理学は、哲学にとって分析の有用な道具立てを提供するとともに、それ自体が重要な研究対象であり続けてきた。特に現代哲学では、その傾向が著しい。そこで、哲学を学ぶ上で必要な現代論理学の基礎部分を身に付けてもらうことが、二番目の目的である。

授業計画

論理学とは?
人工言語を作ろう!:自然言語から形式言語へ
この言語の意味論:論理結合子の意味と真理表
恒真式と矛盾式
論理的同値、同値変形
論証の妥当性
自然演繹の方法とは?
自然演繹
10 練習問題を解こう!
11 メタ論理:自然演繹の方法は信頼できるか?
12 健全性と完全性
13 命題論理から述語論理へ:命題論理の限界、文の内部構造を分析する必要性
14 名前と述語、変項と量化子、ヴェン図
15 まとめ
16 関係表現、多重量化
17 述語論理の言語とその意味論
18 解釈という方法
19 妥当式と矛盾式
20 論証の妥当性
21 自然演繹の方法を拡張する
22 量化子の推論規則(1)
23 量化子の推論規則(2)
24 同一性:等号の推論規則
25 練習問題を解こう!
26 メタ論理:自然演繹の方法は信頼できるか?
27 健全性と完全性
28 確定記述
29 理解度の確認
30 予備日
この授業では、特別な予備知識は何も必要としない。履修者に求められているのは、実際に手を動かして日本語の文を形式言語に翻訳したり、真理表や証明図を作成したりすることだけである。

授業方法

毎回、基本的な事項と例題が説明された後、自分で練習問題を解くという手順になる。論理学なので、ただ話を聞くだけでなく、実際に自分の手を動かすことが大切。

成績評価の方法

第2学期 (学年末試験) :試験を実施する

教科書

教科書は使用せず、毎回プリントを配布する。

参考文献

戸田山和久論理学をつくる名古屋大学出版局
金子洋之記号論理入門』(哲学教科書シリーズ産業図書
前原昭二記号論理入門日本評論社
Graeme ForbesModern LogicOxford UP1999