●
日本文学研究法
―近現代文学研究の現在形―
担 当 者 |
単 位 数 |
配当年次 |
学 期 |
曜 日 |
時 限 |
五味渕 典嗣 講師 |
4 |
2~4 |
通年 |
月 |
5 |

-
近現代の日本語による文学作品にかかわる研究について、その歴史と現状を概観します。『日本近代文学会50年史』によれば、現在の日本近代文学会の前身である〈近代日本文学会〉の設立が1951(昭和26)年、機関誌『日本近代文学』の創刊が1964(昭和39)年ですから、近現代の文学作品を対象とする研究は、それなりの時間と知識の蓄積がなされてきたとは言えるでしょう。実際に、近現代文学研究は、同時代の人文学的な知の動向と深いところで連動しながら、問題意識と対象設定を大きく移動させてきました。
研究論文もまた、歴史的な状況の産物です。学生諸君が卒業論文を準備する中で出会う〈先行研究〉たちは、たんにその作家・作品にかかわる知の集積というだけではなく、それぞれの文脈に即した、さまざまなバイアスがかかった作品でもあるわけです。
この授業では、以上の問題意識にもとづき、近現代文学研究の歴史を踏まえた上で(歴史編)、分析と記述のためのいくつかの方法論を紹介していきます(各論編)。最終的には、近現代文学作品で卒業論文を構想するための基本的な考え方を修得することが目標となります。

-
1 |
ガイダンスとオリエンテーション |
2 |
近現代文学研究の歴史(1) |
3 |
近現代文学研究の歴史(2) |
4 |
近現代文学研究の歴史(3) |
5 |
近現代文学研究の歴史(4) |
6 |
近現代文学研究の歴史(5) |
7 |
近現代文学研究の歴史(6) |
8 |
近現代文学研究の歴史(7) |
9 |
近現代文学研究の歴史(8) |
10 |
近現代文学研究の歴史(9) |
11 |
〈文学史〉という夢 |
12 |
作品からテクストへ(1) |
13 |
作品からテクストへ(2) |
14 |
作品からテクストへ(3) |
15 |
第1学期授業内容のまとめ |
16 |
語りの分析(1) |
17 |
語りの分析(2) |
18 |
都市の文化誌(1) |
19 |
都市の文化誌(2) |
20 |
メディアと言説(1) |
21 |
メディアと言説(2) |
22 |
メディアと言説(3) |
23 |
ジェンダーとセクシュアリティ(1) |
24 |
ジェンダーとセクシュアリティ(2) |
25 |
ポストコロニアル批評と文化研究(1) |
26 |
ポストコロニアル批評と文化研究(2) |
27 |
ポストコロニアル批評と文化研究(3) |
28 |
ジャンルの解体と再編(1) |
29 |
ジャンルの解体と再編(2) |
30 |
第2学期授業内容のまとめ |

-
この授業は、個々の受講者が授業中に紹介・解説された内容を、〈生きた知識〉として活用できるようになることを目指すものです。よって、講義形式を基本としますが、ただ講義を聞くというだけではない、積極的な授業への参加と取り組みを求めます。

- 学年末にレポート課題の提出を求めます。
- その他、学期ごとに数回、授業内容にかかわる小テストを実施する予定です。

-
担当者がプリント資料を準備します。

-
石原千秋ほか『読むための理論』世織書房、1991年、ISBN:9784906388019
ジョナサン・カラー『文学理論』(1冊でわかる)岩波書店、2003年、ISBN:9784000268660
その他の文献については、適宜授業内で紹介します。

- 第1回目の授業に必ず出席のこと。