※解析学特論Ⅰ(学部:解析学2)
自己共役作用素のスペクトル分解

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
内山 康一 講師 2 M 第2学期 4

授業の目的・内容

1.エルミート対称行列の対角化の理論をスペクトル分解の例として見直す。
2.ヒルベルト空間上の有界対称作用素のスペクトル分解を学ぶ。
3.非有界作用素である自己共役作用素のスペクトル分解を学ぶ。
4.スペクトル分解に必要な関数解析と積分論の要点を学ぶ。
予備知識として線形代数、微分積分、複素関数論の初歩が必須であり、他に積分論と関数解析の基礎知識が望ましい。これらを必要に応じて自習(復習)することが要請される。

授業計画

講義計画と参考書の説明。線形代数の復習(固有値、固有ベクトル、対角化)
線形代数と解析学(レゾルベントとコーシーの積分定理)
エルミート行列の対角化と有限次元のスペクトル分解
ヒルベルト空間上のコンパクト対称作用素のスペクトル分解(要約)
関数解析と積分論(F.Rieszの定理)
関数解析と積分論(続き)
ヒルベルト空間における単位の分解
有界対称作用素のスペクトル分解
有界対称作用素のスペクトル表現
10 ユニタリ作用素のスペクトル分解(要約)
11 対称作用素と自己共役作用素
12 自己共役作用素のスペクトル分解
13 自己共役作用素のスペクトル表現
14 補足とまとめ
15 理解度の確認
講義の必要に応じて内容の補充と縮小を行う。

授業方法

板書による講義。

成績評価の方法

第2学期 (学年末試験) :試験を実施する
中間のレポートと試験期間中のテストで成績を判定する。

参考文献

黒田成俊関数解析』(共立数学講座15版、共立出版1980
加藤敏夫著、丸山徹訳行列の摂動』(シュプリンガー数学クラシック第7巻シュプリンガージャパンISBN:9784431707561
P.D. Lax, Functional Analysis, (Pure and Applied Mathematics) John Wiley & Sons, 2002, ISBN:0471556041

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

初めの講義で講義の説明と学習上の注意をする。なお、学部と大学院の共通講義である。