租税法1
所得税法

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
渕 圭吾 教授 2 2~3 第1学期 1

授業の目的・内容

法科大学院における「租税法」の中核である所得課税について概説する。所得概念をはじめとする基本的な諸概念を通じて、どのような法改正があっても変わらない基本的な枠組みについて、受講者の全員が理解することがこの授業の目標である。法曹三者のいずれにあっても、また企業法務に従事するにあたっても、租税法の基本的な部分の理解(どのような場合にどのような課税が発生するか、直感的に理解できるようになること)は欠かせない。この授業はまさにそのような基本的な部分に特化したものである。なお、租税法を今まで一度も勉強したことがない人を念頭において、また新司法試験で租税法を選択しない者にも十分に配慮して、授業を進める。

授業計画

イントロダクション/所得の概念
所得の概念
納税義務者と課税単位
所得の帰属
所得税額計算の基本的な仕組み
利子所得・配当所得
譲渡所得
給与所得・退職所得
事業所得
10 収入金額と必要経費
11 年度帰属/費用収益対応の原則
12 必要経費の範囲
13 所得税額の計算
14 租税法の解釈と適用
15 所得課税のタイミング−実現主義と時価主義
所得税についての議論を中心とするが、必要に応じて法人税にも言及する。授業の具体的内容については、初回に説明する。

授業方法

授業は基本的には講義形式で行う。ただし、頻繁に受講者を指名してコメントを求める。『ケースブック租税法』に準拠して進めるが、必要に応じて、レジュメを配布する(あるいは、インターネットにて掲示する)。予習範囲はそれほど多くないが、教材の予習は必須である。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):70%
授業に対する貢献度:30%

教科書

金子宏ケースブック租税法』(弘文堂ケースブックシリーズ第3版、弘文堂2011年、ISBN:9784335305047
佐藤英明スタンダード所得税法補正2版、弘文堂2011年、ISBN:9784335355097
中里実ほか租税法概説有斐閣2011年、ISBN:9784641131026
教科書については、授業の初回に指示する。

参考文献

金子宏租税法』(法律学講座叢書第17版、弘文堂2012
岡村忠生ベーシック税法』(有斐閣アルマ第6版、有斐閣2011
水野忠恒ほか租税判例百選第5版、有斐閣2011
教材については授業の初回に指示する。