歴史に見る世界

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
第1学期 川﨑 亜紀子 講師
第2学期 福島 恵 講師
4   通年 2

川﨑 亜紀子 講師 (第1学期) 近代ヨーロッパとユダヤ人

授業の目的・内容

ユダヤ人は、ローマ帝国の支配下に置かれていた紀元70年にいわゆる「第二神殿」が破壊されてから、第二次世界大戦後のイスラエル建国まで、自分たちの国家が持てないディアスポラ(離散)状態にありました。しかしながら、世界中に散らばった彼らは当時の世界と様々な関係を結びながらユダヤ人社会を形成していったことは周知の通りです。本講義では、特に近現代ヨーロッパ史との関連の中で、形成されたユダヤ人社会とヨーロッパ社会との関係はどのようなものであったのか、なぜ彼らは差別の対象になることが多いのか、といった点について考察することで、日本人にはイメージのつかみづらいユダヤ人という民族集団についての歴史的理解を目指していきます。

授業計画

ガイダンス
中世までのユダヤ略史
中世キリスト教社会におけるユダヤ人(1)スペインのユダヤ人
中世キリスト教社会におけるユダヤ人(2)中世の反ユダヤ主義
ユダヤ人のヨーロッパにおける「解放」
「解放」後のユダヤ人(1)近代フランスとユダヤ人
「解放」後のユダヤ人(2)近代ドイツとユダヤ人社会
近代における反ユダヤ主義(1)中世との違い
近代における反ユダヤ主義(2)ドレフュス事件
10 シオニズム運動の登場
11 ナチス・ドイツによるユダヤ人排斥(1)対ユダヤ人政策の変遷
12 ナチス・ドイツによるユダヤ人排斥(2)ホロコースト
13 イスラエル建国をめぐって
14 まとめ
15 予備日

授業方法

授業は講義形式で行います。特に教科書は指定せずに、毎回レジュメを配布して、その内容に従って授業を進めます。参考文献は、授業の中で紹介します。また、定期試験とは別に授業内の時間を使って小テスト・小レポートを実施します。

成績評価の方法

第1学期 (学期末試験) :試験を実施する
小テスト・小レポート

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

授業後の質問は自由に受け付けますので、積極的に質問してください。

福島 恵 講師 (第2学期) ソグド人から見る東部ユーラシア

授業の目的・内容

本講義では、シルクロード交易の中心を担ったソグド人について学ぶことで、国家の歴史という枠組みを超え、より広い視野でユーラシアの歴史を見ることを試みます。ソグド人の活動は、故郷の中央アジアのソグディアナ地方から遠く中国・モンゴリアに及びました。近年新たに出土した資料の紹介などを通して彼らの足跡を追います。

授業計画

ガイダンス:授業の進め方
ソグド人の淵源:中央ユーラシアと農牧接壌地帯
騎馬遊牧民とオアシス国家(1)
騎馬遊牧民とオアシス国家(2)
シルクロード交易とソグド人(1):ソグド人とは
シルクロード交易とソグド人(2):ソグド=ネットワーク
新出土資料の発見とその研究(1):墓誌とは
新出土資料の発見とその研究(2):ソグド人の墓誌
新出土資料の発見とその研究(3):その他石刻資料
10 新出土資料の発見とその研究(4):美術史研究
11 ソグド人の東方活動(1):唐の建国とソグド人
12 ソグド人の東方活動(2):安史の乱とソグド人
13 ソグド人の東方活動(3):ソグド人と東アジアの海域
14 陸から海へ:内陸交易の終焉
15 まとめ

授業方法

講義形式

成績評価の方法

第2学期 (学年末試験) :試験を実施する

教科書

レジュメを配布する予定。

参考文献

荒川正晴オアシス国家とキャラヴァン交易』(世界史リブレット62山川出版社2003
森安孝夫シルクロードと唐帝国』(興亡の世界史5講談社2007
石見清裕唐代の国際関係』(世界史リブレット97山川出版社2009
講義中にも適宜紹介する。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。