● 民法Ⅲ
―債権総論・担保物権―

本講義では、民法の中でも、債権総論と担保物権を扱う。毎回、主題ごとに、制度の意義、趣旨、要件、効果を検討する。また、判例をできるだけ取り上げることによって、具体的なイメージを持ちやすいようにする。

１	総説
２	債権の種類‐債権の目的による分類（１）特定物債権・種類債権
３	債権の種類‐債権の目的による分類（２）利息債権
４	債権の効力‐履行の強制
５	債権の効力‐債務不履行に基づく損害賠償（１）要件
６	債権の効力‐債務不履行に基づく損害賠償（２）効果
７	責任財産の保全‐債権者代位権（１）「本来型」
８	責任財産の保全‐債権者代位権（２）「転用型」
９	責任財産の保全‐詐害行為取消権
10	多数当事者の債権関係‐分割債務、不可分債務、連帯債務
11	多数当事者の債権関係‐保証債務
12	債権債務の移転‐債権譲渡（１）成立要件、対抗要件
13	債権債務の移転‐債権譲渡（２）譲渡の制限、債権譲渡の現代的機能
14	債権の消滅‐弁済
15	債権の消滅‐相殺
16	債権総論の総復習
17	担保物権法総説‐意義、種類、効力、性質
18	抵当権の設定‐概観、設定契約、対抗要件
19	抵当権の効力‐第三取得者、賃借人との関係
20	抵当権の効力‐侵害者に対する効力
21	抵当権の効力‐物上代位
22	抵当権の効力の実現‐競売手続、担保不動産収益執行
23	抵当権の処分・消滅
24	特殊の抵当権‐共同抵当、根抵当
25	抵当権以外の約定担保物権‐質権
26	法定担保物権‐留置権
27	法定担保物権‐先取特権
28	非典型担保‐仮登記担保、所有権留保
29	非典型担保‐譲渡担保、集合財産譲渡担保
30	総括

各回の講義資料（レジュメ）は、講義の前に配布する。

第2学期 （学年末試験） ：試験を実施する

教科書は特に指定はしない。
判例集として、瀬川信久ほか編『民法判例集　担保物権・債権総論』（有斐閣、2004）を用いるため、六法とともに必携である。
じっくり学習したい者は、債権総論については、中田裕康『債権総論（新版）』（岩波書店、2011年）、担保物権については、道垣内弘人『担保物権法（第３版）』（有斐閣、2008年）を参考文献としてお勧めする。

第1回目の授業に必ず出席のこと。

毎回、六法、指定の判例集、レジュメを持参のこと。