経営学特殊講義(価格マーケティング)
価格の持つ意味・形成等の学習

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
上田 隆穂 教授 2 3~4 第1学期 2

授業の目的・内容

価格戦略は、マーケティングの基礎概念である4P(Product, Promotion, Place, Price)の1つにもかかわらず、これまであまり注目されてこなかった。それはプライシング自体が単純そうでいて、難しく、またプライシングのためのデータも不十分にしかとれなかったからである。しかしながら、不況期を迎え、企業は低価格競争に巻き込まれることが多く、プライシングを正面から研究する必要性が高まってきている。このようなプライシングを現在の消費者動向と絡ませながら、消費者の心理的側面およびマーケティング戦略をベースにおいて多様な側面から述べていく。プライシングは単体ではなく、ブランドやその他のマーケティング概念との関連を考えて捉えることが重要である。この授業では、価格戦略を多様な側面から捉えて、なるべく多くのケースを用いながら、ディスカッションしながら進めていきたい。なお価格との関連でプロモーションについての講義も行う。

授業計画

授業のガイダンス、価格の一般動向と企業の価格対応
日本マクドナルドのケース:低価格化を実現する方法、低価格化のリスク、地域別価格
価格プロモーションでは、なぜ利益を失うことになるのか?
値段が高くても買う人々は誰なのか?:価値と価格について
高くないと買わない人々は誰?:価格の3つの意味を探る
実務家によるゲスト講演
どういう主導権を持てば高価格対応が可能なのか?:カテゴライゼーションやグーテンベルグ仮説と価格
暗黒大陸の流通プライシングを制すれば高収益が期待できる:中間流通プライシング、カゴメの価格是正のケース
具体的な価格設定技法とはどんな方法か?
10 価値創造型プロモーション1
11 価値創造型プロモーション2
12 価値創造型プロモーション3(クロス・マーチャンダイジング)
13 価格に頼らない未来小売店舗の方向性
14 総括と最終レポート課題の説明
15 自主研究
できるだけ多くのケースを盛り込んでいきたいと考えており、ワークショップを行う場合には、参加者によるプレゼンがあるので、できるだけアクティブな参加が求められる。プロジェクターで教材を投影するが、骨子となる部分は、計算機センター教材データベースSドライブの上田のホルダーにファイルとして入れておく予定。これらに関してはガイダンスで詳しく述べる。

授業方法

なるべく学生参加型の授業としたい。したがって、講義の前もしくは後で、ワークショップ型のディスカッション&プレゼンを行う場合がある。授業参加が重要で、欠席が三分の一を超えた場合には単位はとれない。

成績評価の方法

レポート
パワーポイントファイルを提出してもらう。2人1組が原則だが、1人でもよい。ウェブサイトのコピーのみや書籍の要約のみではいけない。多様にしらべたり、問い合わせをしたり、アンケートを採ったりして作成のこと。

教科書

上田隆穂著日本一わかりやすい価格決定戦略明日香2005
易しくわかりやすい内容となっている。

参考文献

上田隆穂・守口剛価格・プロモーション戦略』(有斐閣アルマ有斐閣2004
上田隆穂・兼子良久・星野浩美・守口剛買い物客はそのキーワードで手を伸ばすダイヤモンド社2011
本格的なプライシングの勉強をしたい人向き。

履修上の注意

履修者数制限あり。(50名以内名)
第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

出席が重要です。