西洋比較思想

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
第1学期 宮崎 文典 講師
第2学期 西巻 丈児 講師
4 1~4 通年 5

宮崎 文典 講師 (第1学期) 徳の倫理、古代と現代

授業の目的・内容

古代ギリシア以来の哲学・倫理学における重要な概念のひとつであり、近年の倫理学においても注目されているものとして、徳(アレテー)を挙げることができる。本講義では、古代ギリシアにおける徳の問題の諸相を読み解いていく。また、古代ギリシアの徳の概念をふまえて、近年の「徳倫理学」の展開についてもみていきたい。

授業計画

ガイダンス――講義全体の目的と方法について
徳への配慮(ソクラテス)
徳をめぐる対話(ソクラテス)
魂の正義とその他の諸徳(プラトン)
徳と幸福(アリストテレス)
中庸としての徳(アリストテレス)
プロネーシスの役割(アリストテレス)
ポリスのなかでの生と徳
古代後期の徳論1(ストア派を中心に)
10 古代後期の徳論2(エピクロス派を中心に)
11 徳と現代1(徳倫理学の端緒)
12 徳と現代2(徳倫理学の展開)
13 徳と現代3(現代社会の諸問題と徳)
14 まとめと補足
15 理解度の確認

授業方法

毎回、レジュメを配布し、それをもとに授業を進める予定です。参考文献や関連する資料については、授業内で適宜紹介します。西洋哲学や西洋史についてのあらかじめの予備知識は特に必要としません。
各回の出席カードは授業に対するレビューシートを兼ねるので、授業内容について考えたことや質問事項などを積極的に書いてください。

成績評価の方法

第1学期 (学期末試験) :試験を実施する
学期末試験とともに「平常の授業への参加度」をあわせて評価し、総合的に評価します。なお、「平常の授業への参加度」については、出席回数だけでなく、レビューシートの内容を加味して評価します。

教科書

教科書はなく、授業各回のレジュメをおもな教材とします。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

西巻 丈児 講師 (第2学期) 近代市民社会の倫理学

授業の目的・内容

個人の自由と人権を基礎にしている現代の社会の諸原理は、近代西洋の哲学者や思想家が編み出したものであるが、その近代市民社会を準備・確立・発展せしめた哲学者や思想家の倫理観について理解し、その意義を考察する。
最後の数回は、近代の倫理学の考え方を現代の諸問題に適用させて考えていく。

授業計画

導入:倫理学とは
0 近代市民社会の倫理学の萌芽
1.1 近代市民社会の胎動期:社会契約説1
1.2 近代市民社会の胎動期:社会契約説2
2.1 近代市民社会の成立と展開:フランス啓蒙思想
2.2.1 近代市民社会の成立と展開:カントの倫理学1
2.2.2 近代市民社会の成立と展開:カントの倫理学2
2.3.1 近代市民社会の成立と展開:カントからドイツ観念論へ
2.3.2 近代市民社会の成立と展開:ドイツ観念論
10 2.4.1 近代市民社会の成立と展開:功利主義の思想1
11 2.4.2 近代市民社会の成立と展開:功利主義の思想2
12 3 近代市民社会批判:マルクス主義
13 4.1 比較応用問題1
14 4.2 比較応用問題2
15 総括

授業方法

毎回プリント資料を配布し、それに基づいて講義をします。

成績評価の方法

第2学期 (学年末試験) :試験を実施する
学年末の試験と授業中に実施するリアクションペーパーを総合して成績評価とします。

参考文献

毎回配布するプリントに参考文献を挙げますので、それを参考にして復習してください。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。