日本語学演習
平安時代の日本語――枕草子と平安作品――

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
安部 清哉 教授 4 2~4 通年 2

授業の目的・内容

主な目的は2つ、1つは平安第1期第2期での日本語文法と語彙の変化を記述的に調査すること、いま1つはその史的変遷の中で『枕草子』の日本語の語法と意味・用法を位置付け、その特徴を明らかにすることにある。日本語の変遷は950〜80年頃を境に大きく変化するが、その変化の実態を文法と語彙を中心に、平安和文(物語日記随想等の散文22作品・八代集の韻文)の全用例調査によって史的変遷を跡付ける。特に『枕草子』の語彙に焦点を当てて詳細に記述する。(第1学期第2学期2回の発表内容を発展させるとそれ2章分とする卒業論文に発展させられることを視野に入れる。)言葉を中心とした『枕草子』の用語解説をア行から順に作成していくことももうひとつの目標として設定してみたい。

授業計画

オリエンテーション
授業内容に関する説明と模範発表
受講生の発表と討議
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14 理解度の確認
15 予備日
16 受講生の発表と討議
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29 理解度の確認
30 まとめ
第1学期第2学期それぞれ発表後に提出するレポートでは、発表における質疑応答や助言、およびその後の考察を踏まえた上で、考察内容を書き直して提出すること。

授業方法

受講生の発表と討議を中心に進める。具体的には、『枕草子』の用語を50音順に各自担当し、その語法と意味を平安時代の22作品と比較して明らかにする。担当語彙は、初めて受講する学生は、第1学期は指定語彙(50音順)、第2学期は指定章段内の語彙・表現。履修2度目以上の人は、平安文学なら、作品、語彙とも自由、但し、第1学期と第2学期はテーマを変えること。卒論テーマでもよい。★登録後に、キャンセルするものは必ず連絡すること(発表順番の調整が必要になるので)。

成績評価の方法

発表、発表後のレポート、提出物
第1学期第2学期の発表をふまえて、第1学期第2学期それぞれでレポート提出。

教科書

(平安時代の和文資料全体を調査するので特に指定しないが、『枕草子』を中心として調査するので、岩波・新古典文学大系、旧大系、岩波文庫を、各自適宜求めて使用してよい。調査には枕草子総索引を使用し、それと同系統で同組版である「岩波・旧日本古典文学大系」(絶版であるが古書で1000円位)が便利である。(現在出版されているもので専門書としては、岩波新大系がある。日常の通読用として、岩波文庫本版、ないし、角川文庫本版が手ごろではある。)

参考文献

(池田亀鑑注)枕草子岩波文庫
枕草子 上下』(角川ソフィア文庫角川書店

履修上の注意

履修者数制限あり。(35名以下)
第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

指導や資料配布の関係で、授業用のメールアドレスを忘れずに登録してください。(1回目の授業で指示します。)