英語文化コース演習A
イギリス児童文学研究入門

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
佐藤 和哉 講師 4 3~4 通年 4

授業の目的・内容

1)「児童文学」というと何か分かったような気がしますが、よく考えてみると、この言葉はそれほど自明なものではありません。大人が書き、大人が売り、(多くの場合は)大人が買い、大人が批評する「児童文学」についてさまざまな角度から考えます。また、児童文学の研究は、少なくとも歴史研究、心理学、教育学と隣接しますし、場合によっては社会学や政治学とも関わります。児童文学を手がかりに複数の研究分野を横断するような「文化」の研究のありかたについて理解を深めたいと思います。
2)第1学期はイギリスの児童文学についての概説書の一部を、第2学期には作品を読むことで、主要な作家、作品に関する基本的な知識を身につけたり、作品を鑑賞する力を養ったりします。
3)概説書や作品などテクストの精読を通じて、英語の読解力を身につけることをめざします。
4)発表形式によって、自分が調べてきたことを人に分かりやすく伝えるスキルを身につけます。

授業計画

第1学期イントロダクション(1)——全体の説明と内容の紹介、グループ決め
第1学期イントロダクション(2)——分担決め、ミニ講義
Fantasy(1)pp.144-148
Fantasy(2)pp.148-152
Fantasy(3)pp.152-156
Fantasy(4)pp.156-160
Fantasy(5)pp.160-164
Fantasy(6)pp.164-166, Fantasy まとめ
The Adventure Story(1)pp.170-173
10 The Adventure Story(2)pp.173-177
11 The Adventure Story(3)pp.177-181
12 The Adventure Story(4)pp.181-186
13 The Adventure Story(5)pp.186-189
14 The Adventure Story(6)pp.189-194
15 自主研究
16 第2学期イントロダクション(1)——レポートについて
17 第2学期イントロダクション(2)——第2学期の進めかたについて
18 The Hobbit(1)Chapter 1, 2
19 The Hobbit(2)Chapter 3, 4, 5
20 The Hobbit(3)Chapter 6, 7
21 The Hobbit(4)Chapter 8, 9
22 The Hobbit(5)Chapter 10, 11, 12
23 The Hobbit(6)Chapter 13, 14, 15, 16
24 The Hobbit(7)Chapter 17, 18, 19
25 The Hobbit: 小説と映画(1)作品鑑賞
26 The Hobbit: 小説と映画(2)比較
27 The Hobbit: 作者と時代について
28 The Hobbit をめぐる批評文(1)
29 The Hobbit をめぐる批評文(2)
30 自主研究
受講生の関心や授業の進度によっては、上記の内容に修正が加えられることもありえます。建設的な提言を歓迎します。

授業方法

第1学期は英文の概説書から一部分を読み、そこで学んだことを元に、第2学期は作品を一冊読んでいきます。人数に応じて、グループ発表か個人の発表か変わってきますが、いずれにせよ少なくとも第1・第2学期1回ずつは発表の機会が回ってきます。担当者でない人は、発表を聞いて、それに対して建設的にコメントすることが求められます。

成績評価の方法

レポートによる

教科書

M. O. Grenby, Children's Literature, (Edinburgh Critical Guides) Edinburgh University Press, 2008, ISBN:9780748622740
J. R. R. Tolkien, The Hobbit, Film tie-in Edition, HarperCollins, 2012, ISBN:9780007487295

参考文献

授業開始時に指示します。必要に応じてコピーを配ります。

その他

狭い意味での児童文学だけでなく、文化を研究すること一般に興味がある方の受講を歓迎します。また、自分の読書経験や研究関心などと結びつけながら授業に臨んでいただくと面白いと思います。英語は必ずしも易しいものばかりではありませんが、読みかたのポイントについてはできるだけ分かりやすく説明しますので、怖がることはありません。ただし予習と授業中の発言は必須です。