光学 物3年

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
平野 琢也 教授 2 3 第1学期 1

授業の目的・内容

光学は古い伝統を持つ学問でありながら、いつの時代でも新鮮な話題を私たちに提供し、新しい自然観の確立にも大きな影響を与えてきた物理学の大切な一分野である。物理学科のカリキュラムの中では、電磁気学の応用と位置づけることができる。その理由は、多くの光学現象は、マクスウェル方程式を基礎として最も良く理解できるからである。しかし、興味深いことに、回折のような現象は、波動方程式に従うことだけを出発点として上手に説明することができ、このことから音波と光で同様な現象が見られるという普遍性を自然に理解することができる。また、光線の振る舞いは、最小”作用”の原理だけを出発点として理解することができる。後者の幾何光学は、ニュートンの時代からある光学の最も古い部分であるが、現在でもカメラや半導体製造装置の設計には欠かすことのできない先端知識でもある。以上のような光学の特徴をふまえ、光学の授業では、皆さんの物理の知識に一本糸を通し、さらに身の回りの現象や先端技術と物理の知識との橋渡しをすることを目指したい。

授業計画

1章 光学とは
(1)位置づけ(2)光学の分類
2章 波動光学
(1)Maxwell方程式(2)波動方程式
(3)平面波(4)電磁場のエネルギー
(5)偏光(6)電磁場の複素表示(7)偏光子
(8)反射と屈折
(9)フレネルの式
(10)全反射(11)多層膜、反射防止膜
3章 回折
(1)Huygens-Fresnelの原理
(2)Fresnelの理論、Fresnel輪帯
10 (3)Kirchhoffの回折理論
11 (4)Fraunhofer回折とFresnel回折
12 4章 光と物質の相互作用 
(1)古典的調和振動子(2)電磁場の複素表示
13 (3)アインシュタインのA係数とB係数
14 (4)反転分布(5)レーザー(6)非線型光学
15 まとめ

成績評価の方法

第1学期 (学期末試験) :試験を実施する
レポートや授業中に行う小テストも評価の対象とします。

参考文献

Eugene Hecht, Optics, 4th Edition, Addison-Wesley, 2001
山口 一郎応用光学オーム社1998
村田和美光学サイエンス社1979
HechtのOpticsは丸善から日本語訳が出版されています。