解析学3
コンパクト作用素の基礎といくつかの各論

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
内山 康一 講師 2 3~4 第2学期 4

授業の目的・内容

バナッハ空間の上の有界作用素の中で有限次元的な性質をもつコンパクト作用素について学ぶ。とくに有限次元の線形代数の基本量である線形変換のトレース(跡)と行列式が考えられる部分族(ヒルベルト空間上のトレース・クラス)について講義する。ノルム空間やヒルベルト空間における関数解析の基礎・入門の既習者(あるいは自習の良い機会としたい人)向けである。大学院と共通講義である。

授業計画

講義計画と参考書の説明。線形代数の復習(固有値とトレース定理、行列式とクラメールの公式、一般の連立方程式の可解性など)
バナッハ空間とヒルベルト空間(準備と解説)
バナッハ空間上の有限次元作用素。
続き
バナッハ空間上のコンパクト作用素
コンパクト作用素の固有値
リース・シャウダーの定理
ヒルベルト空間上のトレース・クラス
トレース定理(リドスキーの定理)
10 続き
11 作用素の行列式
12 積分方程式とフレドホルムの行列式
13 続き
14 作用素の指数とトレース
15 補遺とまとめ
講義の必要に応じて内容の補充と縮小を行う。

授業方法

板書による講義。

成績評価の方法

第2学期 (学年末試験) :試験を実施する
レポートと学年末試験による。学年末試験を受けないときは不合格とする。

参考文献

黒田成俊関数解析』(共立数学講座15版、共立出版1980年、ISBN:4320011066
Peter D. Lax, Functional Analysis, (Pure and applied mathematics) Wiley Interscience, 2002, ISBN:0471556041
I. Gohberg, S. Goldberg and N. Krupnik, Traces and Determinants of Linear Operators, (Operator Theory Vol. 116) Birkhäuser Verlag, 2000, ISBN:3764361778
Kosaku Yosida, Functional Analysis, (Classics in Mathematics) 6th Edition, Springer Verlag, 1995, ISBN:9783540586548
吉田 耕作,河田 敬義,岩村 聯位相解析の基礎岩波書店1960年、ISBN:4000050257 C3041

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。