※幾何学特論Ⅰ(学部:幾何学3)

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
桑田 孝泰 講師 2 M 第1学期 3

授業の目的・内容

代数曲線には長い歴史がある。ギリシャ時代には直線と円の幾何が発展して、さらに円錐曲線も研究された。17世紀になって、座標を用いて図形を考えることが始まり、デカルトの解析幾何が誕生した。この立場では円錐曲線は2次曲線である。一般に、2変数多項式の零点集合を代数曲線という。一方、絵画や図法の技法として射影幾何が発展し、代数曲線は射影平面内で研究されるようになった。さらに19世紀に入り非特異射影複素代数曲線が1次元複素多様体(リーマン面)として扱われるようになり、複素解析と幾何とも結びつき代数曲線の理論は花開いていった。
講義では、まず2次曲線や3次曲線など具体的な曲線を通してアフィン曲線を導入し、曲線の特異点、接線、変曲点などを定義し、それらの幾何学的な概念について述べる。次に射影平面を定義し、射影曲線として曲線を考察し、べズーの定理やパスカルの定理について概説する。最後に曲線上の有理関数に関するリーマン・ロッホの定理とその応用に向かって講義を行う。
できる限り直観的にわかるように講義していくつもりである。

授業計画

アフィン曲線(1)-2次曲線と3次曲線の例、曲線のパラメータ表示
アフィン曲線(2)-曲線の特異点、接線、重複度、および変曲点
終結式とその応用(1)-終結式とは
終結式とその応用(2)-終結式の応用
射影曲線(1)-射影平面、射影変換
射影曲線(2)-射影平面曲線の特異点、重複度
射影曲線(3)-べズーの定理
射影幾何(1)-デザルグの定理、パップスの定理
射影幾何(2)-双対原理
10 射影幾何(3)-パスカルの定理とその双対命題
11 代数曲線上の有理関数(1)-代数曲線上の有理関数
12 代数曲線上の有理関数(2)-リーマン・ロッホの定理
13 代数曲線上の有理関数(3)-有理曲線、楕円曲線、超楕円曲線
14 授業のまとめ(試験を含む)
15 自主研究

授業方法

適宜、演習を取り入れていく。

成績評価の方法

第1学期 (学期末試験) :試験を実施する
レポート

教科書

平面代数曲線版、共立出版2012年、ISBN:978-4-320-01992-8

参考文献

授業時に指示する。