● 公法入門１
―行政法入門―

法学未修者を対象とした「公法系」必修４単位のうちの２単位。次年度に、行政法１及び行政法２を履修するための基礎を確立することを目的とします。主として、行政法総論といわれる分野と、行政組織法の基礎を学習します。行政救済法については、行政法総論との関連を中心に説明し、輪郭を扱うに止めます。
テキストを用いて、基本的な概念、理論を勉強することが、授業の目標です。そのために、判例集を絶えず利用して、具体的に考えることに努めます。また、行政法令の具体的な条文を解釈できるよう、条文に親しむことも、重要な学習目標です。教科書として指定したテキストと判例集を駆使して、理解の深化に努めます。

１	行政法の基礎 テキストで引用されている判例は、必ず判例集で予習して講義に臨んでください（以下、同じ）。
２	行政組織法総論
３	法律による行政の原理（法律の優位原則と留保原則）
４	「法の一般原則」（信義則、平等原則、比例原則、権限濫用禁止原則）
５	行政手続制度
６	情報公開と個人情報保護
７	行政の行為形式（行政行為１） 行政行為にかかる実体法的な拘束、行政裁量論を扱います。
８	行政の行為形式（行政行為２） 行政行為にかかる手続法的な拘束のほか、行政行為の付款も解説する。
９	行政の行為形式（行政基準、行政契約、行政指導）
10	行政の義務履行確保
11	行政訴訟（抗告訴訟概論）
12	行政訴訟（取消訴訟）
13	行政訴訟（その他の行政訴訟）
14	国家賠償
15	損失補償

（１）授業前にテキストの該当頁を予習してくること（２）テキストの内容に対応した範囲の判例を判例集で予習してくることは、自宅での課題とします。

具体的な事項の質問を受講生に投げかける対話形式で進行します。具体的な事例に則して、質問する予定です。講義形式で説明することはいたしません。毎回、講義の冒頭で小テストを実施します。

第1学期（学期末試験）：80％

小テスト：10％

授業に対する貢献度：10％

大橋洋一『行政法１　現代行政過程論』第1版、有斐閣、2009年
大橋洋一＝斎藤誠＝山本隆司『行政法判例集　総論・組織法』第2版、有斐閣、2006年
塩野宏『行政法１』第５版、有斐閣、2009年
大橋洋一『行政法２　現代行政救済論』第1版、有斐閣、2012年
行政法総論の教科書は、塩野先生の行政法１か、私の行政法１のいずれかを予復習で読み込むこと。
行政法判例集は授業でも利用します。
なお、行政救済法についても第11回から15回まで講義するので、上記の行政法２を予復習に活用することを勧めます（特に参照すべき箇所は授業時に説明します）。

第1回目の授業に必ず出席のこと。

行政法の授業ですが、合わせて、法科大学院での勉強の仕方についても講義する予定です。
法科大学院共通的到達目標（コア・カリキュラム）第二次案（http://www.congre.co.jp/core-curriculum/result/result02.html）には、行政法の到達目標も記載されており、各章に具体的な学習内容が記載されているので、予復習にあたっては、各自で参照して、履修状況のチェックに活用することを要請します。