● 博物館実習
―歴史系博物館の活動と実務―

歴史系博物館の活動について、実践的に理解することをめざす。史資料の収集整理保管から常設展および特別展の実務に至るまでの、多様な学芸員活動のあり方を具体的に示し、博物館学芸員として働き始めるために必要な実務的基礎知識および基礎技術の習得を目的とする。屋内に展示する博物館だけでなく、屋外展示のあり方も視野に含めて考えたい。

１	講義概要解説：年間の講義について、主旨や流れなどの概略を示す。
２	資料収集（１）：資料購入の流れについて、事例により理解する。
３	資料収集（２）：資料寄贈の流れについて、事例により解説し、受贈の際の聞き取り調査について模擬的に実習する。
４	資料収集（３）：複製資料製作について概略を講義し、立体資料の複製資料製作について写真などにより実例から理解する。
５	資料収集（４）：平面資料の複製資料製作について、ビデオ・写真などから実例を理解する。
６	資料整理実務：資料カードの作成を行う。
７	資料の取扱（１）：掛幅の取り扱い実習。
８	資料の取扱（２）：巻子の取り扱い実習。
９	資料の取扱（３）：刀剣の取り扱い実習。
10	資料の取扱（４）：屏風の取り扱い実習。
11	資料管理（１）：資料情報管理について、必要項目を検討し、分類する。
12	資料管理（２）：保存対策について、ビデオにより実例を理解する。
13	資料管理（３）：収蔵について、梱包具や収蔵庫の実際を理解する。
14	歴史系博物館を見学：バックヤードおよび展示室などを視察する。
15	写真撮影：撮影の実務を行う。
16	実習報告：博物館での実習体験を報告する。
17	解説実習：夏期課題に基づき、展示解説の実習を行う。
18	展示（１）：展示企画について、企画書を作成する。
19	展示（２）：借用交渉の実務を理解する。
20	展示（３）：借用時の調書（コンディションレポート）を作成する。
21	展示（４）：展示資料リストのフォーマットを検討し、作成する。
22	展示（５）：展示スケジュールの立案およびキャプション作成する。
23	展示（６）：個々に作成したキャプションの品評会およびバックヤードのあり方を検討する。
24	展示（８）：資料梱包を体験する。
25	展覧会広報：広報を計画し、ポスターのラフを作成する。
26	展覧会図録：図録構成を立案し、台割りを行う。
27	野外展示：建物の移築復元と展示について概要を把握する。
28	屋外型の博物館を見学：屋外展示の実際を把握する。
29	課題報告：個々に立案中の展示企画の概要を報告する。
30	総括：一年間のまとめを行い、全体を通しての補足を行う。

第１学期は資料の取り扱いを中心に進め、第２学期は展示の企画および実施について取り扱う。年間を通して博物館での実務に対する理解を深める。特に第２学期の授業では各自が企画展のプランを作成し、年度末課題として提出する。

講義および実習を行う。

レポート等による

第１学期・第２学期および夏期休暇中に博物館見学による課題を出す。年度末にむけて授業と関連した課題を出す。これらの課題の提出および授業出席、さらには館園実習の実績を加味して評価する。

授業中に適宜提示する。

履修に際しては、通年授業の他に、学芸員課程事務室主催のガイダンスへの出席及び館園での実習への参加が義務となっているので、留意すること。