哲学C

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
山本 圭一郎 講師 4 通年 5

授業の目的・内容

「哲学とはどのような営みなのか」という問いを念頭に置きながら、哲学の主要な部門である「存在論」「認識論」「倫理学」について講義を行う。第1学期は哲学と科学の営みの関係について考察しながら、主に存在論と認識論を哲学史的に紹介する。第2学期は主に倫理学を扱う。倫理学は規範倫理学(一般規範倫理学・応用倫理学)と非規範倫理学(メタ倫理学・記述倫理学)に大別できるが、最初にメタ倫理学や一般規範倫理学を概観し、次に応用倫理学(特に生命倫理学と情報倫理学)を紹介する。応用倫理学ではスモールグループ・ディスカッション(SGD)も行う予定である。授業のねらいは、これらの講義やディスカッションを通じて「哲学という営み」に参加してもらうことにある。

授業計画

1 イントロダクション:古代哲学と哲学の主要部門
2 ヒュームの挑戦
3 推論の三つの形式、仮説演繹法、帰納的推論の問題
4 哲学と近代科学 - デカルト(1)
5 哲学と近代科学 - デカルト(2)
6 哲学と近代科学 - 大陸合理論とイギリス経験論
7 哲学と近代科学 - イギリス経験論
8 哲学と近代科学 - カントの純粋理性批判
9 近代哲学から現代哲学へー言語論的転回
10 言語哲学と論理実証主義
11 論理実証主義と反証主義
12 自然化された認識論
13 科学的実在論論争
14 第1学期のまとめ:哲学と科学の関係性
15 予備日
16 科学と倫理学 - 事実と価値問題
17 メタ倫理学 - 価値論・道徳的実在論論争
18 一般規範倫理学 - 功利主義
19 一般規範倫理学 - 義務論
20 一般規範倫理学 - 徳倫理
21 応用倫理学 - 生命倫理学(1)歴史
22 応用倫理学 - 生命倫理学(2)終末期医療と安楽死問題(SGD)
23 応用倫理学 - 生命倫理学(3)臓器移植(SGD)
24 応用倫理学 - 生命倫理学(4)生殖医療(SGD)
25 応用倫理学 - 情報倫理学(1)コンピュータ倫理学
26 応用倫理学 - 情報倫理学(2)プライバシー理論と古典的リベラリズム
27 応用倫理学 - 情報倫理学(3)プライバシー理論と政治哲学
28 応用倫理学 - 情報倫理学(4)知の所有をめぐる問題
29 第2学期のまとめ
30 総括
受講者の理解や関心に応じて、内容を若干変更する場合がある。

授業方法

基本的にはパワーポイントを用いた講義形式で授業を進めるが、授業の理解度を深めるために配布プリントおよびG-Portも活用する予定である。教科書は指定せず、代わりに資料を配付する。参考書は授業内で紹介する。授業中は受講者に対してこちらから質問を随時投げかけ対話も行う。また、第2学期の応用倫理学の授業ではスモールグループ・ディスカッション(SGD)を3回ほど行う予定である。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):40%(記述式の問題を与える。なお、自作のノート(1枚)の持ち込みは可とする。)
第2学期(学年末試験):40%(記述式の問題を与える。なお、自作のノート(1枚)の持ち込みは可とする。)
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):20%(出席、授業時の質問への応答、スモールグループ・ディスカッションへの積極的な参加を評価する。)