時間・空間・物質の科学
科学的な考え方を学び表現する―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
梶野 敏貴 講師 4 通年 3

授業の目的・内容

文系・理系を問わず、大学で学ぶ社会科学、人文科学、自然科学の根底の教養として、自然界への視野を開き常識を広め、科学的思考の一助となる授業を目的とします。自然とは何かを時間、空間、物質、そして総合としての生命という視点から眺め、自然の成り立ち・仕組みを興味深い現象を通して具体的に見ながら理解し、人間と自然のかかわりを考える機会とします。

授業計画

1 人間と宇宙:物質(人間)と時間・空間(宇宙)の結びつき
2 人間の自然観、宇宙観と科学:物質科学の20世紀から宇宙科学・生命科学の21世紀へ
3 空間とはなにか?:物質の存在と相互作用を伝える場(時間・空間)の概念
4 時間とはなにか?:混沌から秩序へ、エントロピーと時間の矢、生命の進化とエントロピー
5 宇宙の構造:太陽系から天の川、宇宙へ
6 特殊相対性理論:ニュートンの古典力学からアインシュタインの特殊相対論へ
7 多波長の電磁波で宇宙を見る:光のスペクトルに刻まれた宇宙の神秘
8 人間原理:昆虫の見る宇宙と人間の見る宇宙
9 暗黒物質とはなにか?:未知の素粒子と宇宙の命運
10 宇宙の誕生と膨張する宇宙:火の玉宇宙とゆらぎの発見
11 一般相対性理論:アインシュタイン方程式と宇宙の命運。重力と加速度は同等である
12 宇宙項(暗黒のエネルギー)とはなにか?:アインシュタインは間違っていたか?
13 時間・空間から物質の起源へ
14 究極の物質の起源:古代ギリシャ哲学から現代科学へ
15 光は粒子か波か?:ニュートンの実験、電磁波とマクスウェル方程式・まとめ
16 α、β、γ線の発見:ミクロの世界の扉
17 量子力学の誕生:光、電子は粒子であり波でもある
18 物質科学の発展:量子力学の原理と応用
19 核エネルギー:ミクロの原理を理解し、制御し、天体現象を再現する
20 量子力学と宇宙:宇宙天体の誕生と進化
21 星の一生と元素の起源:我々は星の子である
22 超新星爆発:ブラックホール、中性子星の誕生
23 ニュートリノ:素粒子がミクロの世界と人間、超新星、宇宙を結ぶ
24 巨大加速器:素粒子の発見で宇宙の始まりにせまる
25 不思議な素粒子の世界:素粒子には色があり、香りがある
26 ビッグバン宇宙は人間のからだの中にあった:我々は宇宙の子である
27 時間・空間は四次元か?:高次元宇宙の可能性と超大統一理論
28 対称性の破れと宇宙の始まり、進化
29 膨張宇宙の命運
30 時間・空間・物質の科学から宇宙・人間の起源にせまる・まとめ
上記の授業計画は各回の授業と対応するものではなく、受講学生の状況を見て項目の選択・順序・長短を調整しながら進める予定です。

授業方法

1 高校で物理、化学等を履修していなくても理解可能な説明に努めます。2 ppt、ビデオなどを用いながら講義形式で行います。3 受講生からの意見やコメントを積極的に紹介してもらいます。4 毎回、講義資料のプリントを配布します。

成績評価の方法

レポート:50%
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):50%
レポート提出、出席率、および積極性により評価する。

教科書

教科書は特に指定しません。必要な場合には講義の際に随時紹介します。

参考文献

参考文献は講義の際に随時紹介します。

その他

質問・疑問に応える時間をとります。判らなかったことは、簡単なことでも恥ずかしがらず質問して下さい。また、随時、電子メールで意見やコメントを寄せることを歓迎します。重要な題材は講義のテーマに取り入れるように努めます。