※上級古典語(ギリシア語)
アリストテレス『ニコマコス倫理学』テキスト講読―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
岡野 利津子 講師 4 2~4 通年 3

授業の目的・内容

初級ギリシア語文法の履修を終えている学生を対象に、古典ギリシア語の講読を行います。テキストの読解を通じてアリストテレスの考え方も理解してゆければと思います。

授業計画

1 テキスト、授業方法、採点方法等の説明を行います。
2 二回目以降、テキストの講読にはいります。
 今年度は、「学(エピステーメー)」「直観(ヌース)」「知恵(ソフィア)」「賢慮(フロネーシス)」「技術(テクネー)」といったギリシア哲学で重要な知性の働きが取り上げられている、アリストテレス『ニコマコス倫理学』第6巻を読みます。
 アリストテレスによれば、私たちの実際の行為を決定し、私たちを幸福ならしめる知性の働きは「フロネーシス」であり、それは必然的でない事柄や個別的な事柄に関わり、経験によって養われるものです。倫理的な徳の涵養に必要なのが良き習慣付けだとするアリストテレスの実践的な考え方が、ここでは知性の働きに即して論じられています。

授業方法

文法事項を確認しながら、出席者たちにテキストを訳してもらい、内容等の解説を行います。

成績評価の方法

平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):40%(学習への取り組み。)
読解力:60%(古典ギリシア語テキストの読解力。)
古典ギリシア語初心者の場合も、学習への熱心な取り組みがあれば、できるだけそれを評価したいと思います。

教科書

H. Rackham, Aristotle, The Nicomachean Ethics with an English translation, (Loeb Classical Library) Revised Edition, Harvard University Press, 1934, ISBN:0674990811
初回の授業で、必要部分のテキストのコピーを履修希望者に配布します。