国際法Ⅰ

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
阿部 克則 教授 4 2~4 通年 4

授業の目的・内容

この授業では、国際法の主たる規律分野について講義し、その基本構造を理解してもらうことを目的とします。国際法を初めて学習する人を対象としますので、国際法が実際にどのように機能しているかをイメージしやすい国家領域、安全保障、環境保護などの各論的分野が講義内容の中心です。そのため、国際法の法源論や法主体論などの総論的分野については、各論分野の理解に最低限必要な基本的内容を講義するにとどめます。より進んだ内容に興味を持った人は、次年度の「国際法Ⅱ」を受講してください。

授業計画

1 イントロダクション
2 国際法の基本概念:法主体・法源・国家管轄権・国家責任・紛争解決
3 国家領域(1):領域権原・境界画定
4 国家領域(2):日本の領土問題・南極
5 海洋(1):海洋法の基本構造・内水・領海・国際海峡・接続水域
6 海洋(2):排他的経済水域・大陸棚
7 海洋(3):日本の海洋境界画定問題
8 海洋(4):公海・深海底
9 海洋(5):国際海事機関
10 空域・宇宙
11 安全保障(1):国連の集団的安全保障体制
12 安全保障(2):安保理決議と武力行使
13 安全保障(3):自衛権
14 理解度の確認
15 予備日
16 安全保障(4):平和維持活動
17 安全保障(5):日本の安全保障と国際法
18 環境(1):国際環境法の基本構造
19 環境(2):気候変動枠組条約と京都議定書
20 環境(3):その他の環境条約
21 経済(1):国際経済法の基本構造
22 経済(2):WTO(世界貿易機関)
23 経済(3):WTO(世界貿易機関)
24 経済(4):FTA(自由貿易協定)
25 経済(5):外国投資の自由化と保護
26 個人(1):国籍・外国人の地位
27 個人(2):難民の保護
28 個人(3):国際的人権保障の制度的枠組み
29 理解度の確認
30 予備日

授業方法

配布するレジュメをもとに進めます。国際条約集(2014年版)は授業に必ず持参してください。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):80%
小テスト:20%

教科書

『国際条約集』、有斐閣2014
国際条約集は2014年版を推奨しますが、2013年版でも構いません。ただし授業進行の関係上、有斐閣発行の国際条約集に限ります。

参考文献

小寺彰他『国際法判例百選』(別冊ジュリスト)第2版、有斐閣2011
松井芳郎『判例国際法』第2版、東信堂2006
杉原高嶺・酒井啓亘編『国際法基本判例50』、三省堂2010
授業で扱う国際判例については、参考文献に掲げた判例解説書で自習することを推奨します。