経済法
独禁法的な分析ができるようになろう―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
大久保 直樹 教授 4 3~4 通年 2

授業の目的・内容

 経済法とは、いわゆる独禁法を中心的な研究対象とする法分野です。
 新聞などを見ていると、独禁法に関連する事件が取りあげられていることがあります。
 たとえば、2012年秋頃、「TSUTAYA 」を運営する会社が、米映画ソフト「アメイジング・スパイダーマン」の独占レンタル契約を、発売元の会社と結んだとの新聞報道がありました。同記事によれば、中小のレンタル店は独占レンタル契約が違法であるといって裁判所に訴えたそうです(実は、独禁法違反だと訴えたのかどうかは不明ですが、そうだとしましょう)。
 皆さんは、この独占レンタル契約が独禁法上問題だと思いますか、問題ないと思いますか。この科目では、こうした問いに対する自らの考えを、根拠とともに(主に文章の形で)他人に伝えられるようになることを目標とします。

授業計画

1 学習目標と授業の進め方の説明
2 違反要件序論
3 総説と市場①
4 市場②
5 反競争性
6 正当化理由
7 その他の総論的諸問題と不正手段
8 日本法の違反類型をめぐる総説と不当な取引制限①
9 不当な取引制限②
10 不当な取引制限③
11 不当な取引制限④
12 私的独占①
13 私的独占②
14 私的独占③
15 私的独占④
16 不公正な取引方法①
17 不公正な取引方法②
18 不公正な取引方法③
19 不公正な取引方法④
20 事業者団体規制と企業結合規制①
21 企業結合規制②
22 公取委による事件処理①
23 公取委による事件処理②
24 刑罰と民事訴訟
25 総合問題
26 最新事例研究①
27 最新事例研究②
28 最新事例研究③
29 最新事例研究④
30 自主研究

授業方法

独禁法的な分析ができるためには、独禁法がどのような行為を規制しているのかを知らなければなりませんので、その点の講義が大半を占めることとなるでしょう。講義にあたっては、白石忠志『独禁法講義』にそって進めます。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):90%
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):10%
 独禁法の規制内容を理解しているかどうか(条文の細部の知識までは不要)を問う問いを授業中に投げかけます。答えてくださった方は平常点として評価します。学年末試験では、基本的な知識を駆使して、何らかの事例の分析ができるかどうかを重点を置いて見ます。

教科書

白石忠志『独禁法講義』、有斐閣
2014年4月時点の最新版を使用します。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。