フランス法

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
松本 英実 講師 4 3~4 通年 3

授業の目的・内容

フランス近代法はフランス革命と密接に関係し、その刻印を受けていると一般に言われる。果たして革命によってフランス法は変化したのか。本講義では、二つのテーマ、裁判制度と民法典について、革命後と革命前の法を考察し、これを通してフランス法の特徴を探る。特に民法典については、フランス以外の地域への「普及」diffusionにも注目し、日本と、日本以外にフランス法の影響を受けた地域と、フランスとの比較を通してフランス法をとらえることを試みる。

授業計画

1 はじめに 講義の目的、構成、進め方
2 序章:基本的視点(1)日本法とフランス法
3 序章:基本的視点(2)革命とフランス法
4 序章:基本的視点(3)人権宣言 革命における変化のあり方
5 第1部 裁判制度 第1章 現行制度(1)裁判所構成原理
6 第1部 裁判制度 第1章 現行制度(2)裁判官
7 第1部 裁判制度 第1章 現行制度(3)憲法裁判所
8 第1部 裁判制度 第1章 現行制度(4)商事裁判所
9 第1部 裁判制度 第2章 フランス法の形成(古法を中心に)(1)裁判と法形成
10 第1部 裁判制度 第2章 フランス法の形成(古法を中心に)(2)裁判管轄争い
11 第1部 裁判制度 第2章 フランス法の形成(古法を中心に)(3)パルルマン
12 第1部 裁判制度 第2章 フランス法の形成(古法を中心に)(4)通常裁判所
13 第1部 裁判制度 第2章 フランス法の形成(古法を中心に)(5)商事裁判所
14 前半の授業のまとめ
15 自主研究
16 第2部 フランス法の「普及」 はじめに
17 第2部 フランス法の「普及」 第1章 民法典の基礎 (1)ローマ法とフランス法
18 第2部 フランス法の「普及」 第1章 民法典の基礎 (2)公証実務
19 第2部 フランス法の「普及」 第1章 民法典の基礎 (3)慣習法
20 第2部 フランス法の「普及」 第1章 民法典の基礎 (4)「フランス法」の形成
21 第2部 フランス法の「普及」 第2章 民法典の成立 (1)ナポレオン法典
22 第2部 フランス法の「普及」 第2章 民法典の成立 (2)民法典序章
23 第2部 フランス法の「普及」 第3章 民法典の「普及」 (1)diffusionと混合
24 第2部 フランス法の「普及」 第3章 民法典の「普及」 (2)ケベック 
25 第2部 フランス法の「普及」 第3章 民法典の「普及」 (3)ルイジアナ
26 第2部 フランス法の「普及」 第3章 民法典の「普及」 (4)コモン・ローから見たフランス法
27 第2部 フランス法の「普及」 第3章 民法典の「普及」 (5)ヨーロッパ化、グローバル化、世界の中のフランス法
28 終章 比較の視点(法源論再考)
29 授業のまとめ
30 自主研究

授業方法

講義形式ですが、適宜フランス語の文献等を配布して授業の中で読んでいきたいと思います。フランス語ができる必要はありません。しかし、フランス語の力をつけたい人には、そのような力を鍛える場となるようにしたいと思います。

成績評価の方法

レポート:80%
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):20%

参考文献

北村一郎(編)『『アクセスガイド外国法』』、東京大学出版会2004年、ISBN=9784130361217
シィエス著稲本・伊藤・川出・松本訳『第三身分とは何か』、岩波文庫2011年、ISBN=9784003400616

その他

授業の内容に関する質問は授業の中でしましょう。
matsumotoemi@als.aoyama.ac.jp