経済原論(経営学科)
ミクロ経済学とマクロ経済学の基礎―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
遠藤 久夫 教授 4 1~4 通年 3

授業の目的・内容

本授業の目的は、経営学科の学生として必要なミクロ経済学とマクロ経済学の基礎を修得することである。第1学期にミクロ経済学、第2学期にマクロ経済学を講義する。経営学科の学生で将来資格試験(公認会計士試験、公務員試験)に挑戦しようと考えている学生にも有益であるように公務員試験、資格試験の過去問等の解説も行う。

授業計画

1 需要と供給:需要関数、供給関数、比較静学の例
2 価格弾力性:価格弾力性、価格戦略と利益
3 完全競争市場と市場均衡:完全競争の条件、ワルラス的調整 マーシャル的調整
4 消費の理論1:無差別曲線の性質、限界代替率逓減の法則
5 消費の理論2:価格変化とスルツキー分解
6 生産の理論:生産関数の性質
7 費用の理論1:費用関数の性質
8 費用の理論2:利潤最大化と供給曲線、損益分岐点と操業停止点
9 独占の理論:独占価格と差別価格
10 寡占の理論:クールノーモデル
11 寡占の理論:ゲーム理論、囚人のジレンマ
12 厚生経済学1:余剰分析の理論
13 厚生経済学2:独占、課税の余剰分析
14 厚生経済学3:パレート効率性の考え方
15 理解度の確認
16 国民経済計算:三面等価の原則、GDPとGNP、名目と実質、貯蓄投資バランス
17 消費関数:ケインズ的消費関数、恒常所得仮説、ライフサイクル消費仮説
18 投資関数:利子率と投資、加速度原理、トービンのQ
19 労働市場の分析1:労働供給、労働需要、労働市場
20 労働市場の分析2:新古典派とケインズ派の労働市場の見方の違い
21 AS-AD分析:新古典派とケインズ派の財政政策の効果の違い
22 45度線分析1:投資乗数、政府支出乗数、租税乗数、均衡予算乗数
23 45度線分析2:問題演習
24 貨幣市場1:貨幣の定義、貨幣供給の仕組み、信用乗数、貨幣乗数
25 貨幣市場2:貨幣需要関数、貨幣市場
26 IS-LM分析1:IS曲線、LM曲線の定義
27 IS-LM分析2:財政政策・金融政策の効果分析
28 IS-LM分析3:ポリシーミックの分析
29 過去問を用いた総復習
30 理解度の確認
毎回レジュメを配布する。講義はレジュメを中心に行うが、教科書を読むことにより理解が深まるので購入することを勧める。

授業方法

講義形式

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):46%(ミクロ経済学の講義の内容を正しく理解できているか。応用ができるか。)
第2学期(学年末試験):46%(マクロ経済学の講義の内容を正しく理解できているか。応用ができるか。)
レポート:8%(第1学期・第2学期に各1回、授業の内容に関する小レポートを課す。適切に分析しているか。論理的であるか。)
学期末と学年末に試験を行う。また第1学期・第2学期に各1回、小レポートを課す。それぞれを評価配分でウェイトをつけて総合評価する。

教科書

金谷貞男、吉田真理子『グラフィック ミクロ経済学』、新世社
宮川努 滝澤美帆『グラフィック マクロ経済学 第2版』第2版、新世社
第1学期の教科書は「グラフィック ミクロ経済学(金谷貞男、吉田真理子)」を使用。第2学期の教科書は「グラフィック マクロ経済学(宮川努 滝澤美帆)」を使用する予定であるが、第1学期に購入する必要はない。第2学期開始までに購入すればよい。

参考文献

神戸伸輔、寶多康弘、濱田弘潤『ミクロ経済学をつかむ』、有斐閣

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

経営学科の学生諸君にとって経済学を体系的に学べる数少ない授業である。経済学部の学生としてできるだけ多くの学生が履修することを希望する。将来、経済学を試験科目とする資格試験を受験しようとする学生諸君にも有益である。