経済数学Ⅱ
経済学で使う数学の基礎を学ぶⅡ―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
和光 純 教授 2 1~4 第2学期 1

授業の目的・内容

本授業は、第1学期に開講される「経済数学Ⅰ」と合わせて、経済学の学習に役立つ数学の基礎を学びます。文系の学生諸君にとって苦手意識の強い数学を、初歩に戻りながら、また、経済学における利用例を示しながら、学習します。第2学期開講の本授業では、「経済数学Ⅰ」の履修を前提として、ベクトルと行列の計算、逆行列を用いた連立方程式の解法、ベクトルの1次独立性と行列のランクを学び、さらに、多変数関数の偏微分、極大極小、等位曲線の接線、そして、条件付き最適化問題の解法や包絡線定理について学びます。なお、「経済数学Ⅰ」、「経済数学Ⅱ」は1年次に履修することを勧めます。

授業計画

1 簡単な分数関数と指数関数の積分、確率変数の期待値
2 ベクトルの和・差・スカラー倍・内積
3 行列の定義、行列の和・差・スカラー倍
4 行列の積
5 連立方程式と逆行列、行列式
6 ベクトルの1次独立性と行列のランク
7 中間テスト
8 偏微分の方法と偏微分係数の意味
9 2階偏微分係数の経済学的意味
10 合成関数の偏微分
11 2変数関数の極大・極小
12 全微分、接平面、無差別曲線の接線
13 条件付極大化問題とラグランジュ乗数法:最適消費計画を立てる
14 ラグランジュ乗数の意味
15 短期費用関数と長期費用関数の関係:包絡線定理

授業方法

基本的に講義形式で実施します。自習問題や配布したプリントは私のホームページから常時取り出せるようしています。本授業では、大学で初めて学習する内容が含まれるので、「経済学特殊講義(経済数学演習Ⅱ)」を同時に履修して、練習問題を多く解くことを勧めます。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):65%
中間テスト:35%
中間試験は、経済数学Ⅰの範囲に加えて、経済数学Ⅱの第1~6回までを試験範囲とする。マークシートによる試験とする。期末試験は、経済数学Ⅱの全範囲を含む記述試験とする。経済学特殊講義(経済数学演習Ⅱ)の授業で行う問題演習【学内にて、ホームページからダウンロード可能】をしっかりと復習することが重要である。

教科書

教科書の指定はせず、授業のノートを作成して勉強するようにして授業を進めます。

参考文献

岡部恒治『経済数学入門』(新経済学ライブラリー)、新世社1998年、ISBN=4915787907
岡田章『経済学・経営学のための数学』、東洋経済新報社2001年、ISBN=4492312986
尾山大輔・安田洋祐『経済学で出る数学』改訂版、日本評論社2013年、ISBN=9784535556591
『経済数学入門』は、要点の整理とまとめに主眼が置かれている読みやすいテキスト。数学が不得意な人に適します。『経済学・経営学のための数学』は、大学院に入ってからも役に立つ優れた教科書です。「数学はそんなに嫌いではなかった」という人に適します。『経済学で出る数学』は、経済学の授業でどのようにして数学が使われるかのよく説明されており、経済学における数学の活用は早く知りたい人に適しています。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

【単位修得上の注意】(1) 平成23年度以前入学者については、「経済数学Ⅰ」及び「経済数学Ⅱ」の単位(各2単位)を両方とも修得した場合のみ、「経済数学」の単位(4単位)を修得したこととする。どちらか一方のみの単位を修得しても随意科目の単位修得となるので注意すること。(2) 平成23年度以前入学者で「経済数学入門」(4単位)または「経済数学」(4単位)の単位を修得している学生は「経済数学Ⅱ」の単位は修得できない。(3)履修希望者は、第1回目授業を欠席した場合でも、それ以降の授業に必ず出席して、本授業の受講方法をきちんと把握すること。