経済学特殊講義(経済のグローバル化と価値観の変容)

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
福田 優二 講師 2 1~4 第2学期 2

授業の目的・内容

経済のグローバル化の最大の意味は「大衆消費社会」の世界レベルでの展開である。新興国の経済発展の本質は、1920年代アメリカで原型が形成された「大衆消費社会」モデルの「世界化」にある。高度な大衆消費社会を形成し、自動車、家電、食品、化粧品など、消費経済のあらゆる分野で高品質商品を生産する日本の産業界にとっては、これからが大きなビジネスチャンスとなる。都市インフラでも日本が主導権を握っている。グローバリゼーションの多様な側面を学びつつ、21世紀の日本経済の進むべき方向を考えるのが、この授業科目の狙いである。

授業計画

1 イントロダクション:冷戦後の世界を見る視点
2 アメリカ経済の発展と「大衆消費社会」の形成
3 1920年代アメリカの「大衆消費社会」の実相(アメリカ第1期黄金時代を中心に)
4 「大衆消費社会」の世界史における意味
5 1960年代アメリカの絶頂期と日本経済の台頭(アメリカ第2期黄金時代を中心に)
6 1990年代ポスト冷戦期のアメリカ一極集中とリーマンショック(アメリカ第3期黄金時代を中心に)
7 1990年以降のグローバリゼーションの本質は「消費社会」の世界展開
8 新興国群の急成長による世界経済の大転換
9 グローバリゼーションと日本経済のゆくえ(1) 文明史の視点から現代日本の経済社会を位置づける
10 グローバリゼーションと日本経済のゆくえ(2) 新たな世界経済における日本のビジネスチャンスを考察する
11 グローバリゼーションと日本経済のゆくえ(3) 1920年代アメリカモデルを超える日本モデルの構築
12 グローバリゼーションと日本経済のゆくえ(4) 日本ブランドの情報発信
13 まとめ:「21世紀はアジアの世紀」―日本のリーダーシップの可能性―
14 アベノミクスとこれからの日本経済
15 理解度の確認とディスカッション
歴史的視点から、大きな構造変化として現在を位置づける。同時に、有名企業の戦略、プロスポーツのグローバル化、女性の社会進出など、身近で具体的なテーマに触れながら社会の変化、価値観の変容について考える。大きな歴史の流れを知り、日本の将来ビジョンを考察する。

授業方法

日々起こる出来事にも触れながら、社会がどのような方向に向かっているか、自らの頭で考えられる力を身に付けられるよう指導する。プリントを配布し、データの読み方、新聞などの情報の読み方を指導、参考図書の紹介などを行う。

成績評価の方法

平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):30%
レポート提出:70%
テキストの理解度を見ることで平常点として評価

教科書

跡見学園女子大学マネジメント研究会『逆転の日本力』、イーストプレス2012
常松洋『大衆消費社会の登場』、山川出版社1997

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。