西洋史特殊講義
古代ローマの宗教と社会―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
島田 誠 教授 4 2~4 通年 1

授業の目的・内容

古代ローマは、イタリア半島中部の農民共同体として誕生したが、やがて都市化し、さらにイタリア半島中部の小都市国家から地中海世界を支配する大帝国へ変容した。その間に政治体制は、王政から共和政を経て帝政へと変遷した。本講義では、このような政治の変化と各時代における、政治・社会と宗教との関係を論じる。

授業計画

1 授業の計画と概観
2 古代ローマにおける宗教の特色
3 王政期の歴史1 ローマの建国と生え抜きの王たち
4 家と小共同体の宗教1 農民の宗教
5 家と小共同体の宗教2 家の守り神 LaresとGenius
6 家と小共同体の宗教3 家の守り神 IanusとVesta
7 家と小共同体の宗教4 古代ローマ人のライフサイクルと家族の儀式(出生、成人、死)
8 王政期の歴史2 エトルリア系の王家とローマの都市化
9 都市国家の宗教1 王政期の国家宗教 神官団とVesta女神
10 都市国家の宗教2 カピトーリウム神殿の建設
11 都市国家の宗教3 シビュラの予言書
12 共和政ローマの歴史1 共和政の成立
13 都市国家の宗教4 共和政成立期の宗教 I パトリキー(貴族)の宗教─カピトーリウムの3神
14 都市国家の宗教5 共和政成立期の宗教 II レギルス湖畔の戦いとカストル神殿
15 第1学期のまとめ 
16 共和政ローマの歴史2 身分闘争の時代
17 都市国家の宗教5 プレープス(平民)の神々─アウェンティーヌスの3神(Ceres、Liber、Libera)
18 都市国家の宗教6 身分闘争の終結とローマの国家宗教の再統合
19 共和政ローマの歴史2 イタリア半島の征服
20 都市国家の宗教7 ウェイーからのユーノー女神の将来
21 共和政ローマの歴史3 地中海世界の征服と「ローマ市民団の帝国」の成立
22 帝国の時代の宗教1 東方宗教の流入 I Magna Materの招来
23 帝国の時代の宗教2 東方宗教の流入 II  Bacchanalia事件
24 帝国の時代の宗教3 東方宗教の流入 III イシス教・ミトラス教
25 共和政ローマの歴史4 共和政末期の内乱と帝政の成立
26 帝国の時代の宗教4 個人崇拝の始まりと国家宗教の「再興」
27 帝国の時代の宗教5 皇帝礼拝の起源
28 帝国の時代の宗教6 支配階層の皇帝礼拝
29 帝国の時代の宗教7 地方都市(中間層?)の皇帝礼拝
30 年間の授業のまとめ

授業方法

講義形式で行う。毎回出席してノートを作成すること。

成績評価の方法

レポート:50%(各学期1回、年間2回のレポート提出を求める。)
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):50%(出席カードを用いる。)