西洋史特殊講義
フランス現代史の光と影―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
剣持 久木 講師 4 2~4 通年 3

授業の目的・内容

2014年は、第一次世界大戦開戦100周年であると同時に、第二次世界大戦の帰趨を決したノルマンディー上陸作戦の70周年でもある。本講義は、この二つの世界大戦がフランス現代史に果たした役割を、それぞれの戦争が残した記憶に注目しながら、理解することを目指す。第1学期においては、ドレフュス事件以来のフランス現代史に第一次世界大戦を位置づけ、第2学期においては、ドランシー収容所という、ユダヤ人迫害へのフランスの加担を象徴する施設に注目することで、フランスにとっての第二次大戦期あるいはドイツ占領期の意味を考察する。いわば、ドレフュスからドランシーに至るフランス現代史の再検討である。

授業計画

1 全体ガイダンス:ドレフュスからドランシーへ
2 第1学期導入:19世紀フランス史の展開
3 ドレフュス事件 (1) 明細書
4 ドレフュス事件 (2) 知識人の誕生
5 ドレフュス事件 (3) 反ドレフュス派の展開
6 第一次世界大戦 (1) 開戦前夜のナショナリズム
7 第一次世界大戦 (2) ユニオンサクレと城内平和
8 第一次世界大戦(3)戦争文化
9 第一次世界大戦(4)総力戦の傷跡
10 両大戦間期 (1) 平和主義の展開
11 両大戦間期 (2) フランス人民戦線
12 両大戦間期(3)フランスファシズム?
13 両大戦間期(4)奇妙な平和
14 第1学期のまとめ
15 予備日
16 第2学期導入:記憶の場、ドランシー
17 第二次世界大戦
18 ヴィシー体制の成立
19 国民革命
20 対独協力
21 レジスタンス
22 解放と粛清
23 第四共和国
24 インドシナとアルジェリア
25 第五共和国の成立
26 レジスタンス神話
27 68年革命と神話の崩壊
28 記憶の30年
29 第2学期のまとめ
30 予備日
様々な理由から授業が予定通り進まないこともある

授業方法

講義形式とする

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):40%(試験を実施する)
第2学期(学年末試験):40%(試験を実施する)
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):20%(各学期で5回以上の欠席は評価対象としない)
諸般の事情から成績評価方法が変更されることもある

教科書

教科書は使用しないが、毎回参考文献を指示したプリントを配布する予定である。

参考文献

ロバート・パクストン(著)渡辺和行、剣持久木(訳)『ヴィシー時代のフランス』(パルマケイア叢書)、柏書房2004年、ISBN=978476012571X
剣持久木『記憶の中のファシズム』(選書メチエ)、講談社2008年、ISBN=9784062584098
ジャン=ジャック・ベッケール、ゲルト・クルマイヒ(著)剣持久木、西山暁義(訳)『仏独共同通史 第一次世界大戦』、岩波書店2012年、ISBN=9784000237963