歴史文献講読入門
英語の歴史文献に馴染むために―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
福井 憲彦 教授 4 2~4 通年 4

授業の目的・内容

史学科の2年生以上が対象の、英語歴史文献を読む授業です。特に西洋史演習を履修しようとする2年生には必ず履修してもらいたいのですが、日本史であろうと東洋史であろうと、英語文献は無関係ではありえない時代です。したがって学生の専攻分野は問いません。英語文献を当たり前のように読みこなせれば、人生の可能性も広がります。英語の歴史文献に馴染んでもらうために、そしてやがてはそれらを読みこなせるように、できればいずれ適切な日本語に翻訳できるようになるために、入門的な勉強をします。英語の研究論文、研究書、史資料といった種別にも馴染んでもらうために、幾つかの種類の材料を用意します。テキストは順次コピーを配布します。

授業計画

1 どのくらいの受講生がいるかで進め方や用意すべきコピー数も違ってくるので、受講する学生は必ず出席してください。第1回目はアイスブレイキングのための顔合わせの集まりとし、私からは授業の進め方について説明します。履修する学生諸君の志向を知るために、受講生の自己紹介や履修外国語の種別、希望についても簡単に述べてもらうつもりです。
2 外国語による歴史関連文献の多様な種別について、主として英語文献を中心に専門研究書、一般書、研究論集、専門雑誌、雑誌論文、図録、各種史資料、新聞、定期刊行物など、実物やコピー事例をもとに解説します。私からの基本的説明に加えて、たとえば単行本や雑誌等の表紙や表紙裏の記述から、どのような情報が読み取れるのか、履修の学生諸君と対話しながら進めます。次回、または次次回から開始する輪読用のテキスト(コピー)を配布予定。
3 第2回目の続き、または輪読開始(受講生数と進捗状況によって判断)。
4 第1テキスト輪読開始。
(第1テキストは Atlas of diasporas から扉表裏・謝辞・目次・序章を選択する予定)
5 第1テキスト輪読継続。
6 同上。
7 同上。(第2テキストとして同書Armenian Diaspora を予定、コピー配布)
8 同上。中間の小テスト(ただし第1テキストの進捗度によっては実施の回が前後することがあります。)
9 第2テキスト輪読開始。
10 第2テキスト輪読継続。
11 同上。
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14 第1学期使用テキストの内容について議論。(第3テキストとしてThe Origins of the Modern World の一部分を予定。9月以降に備えてコピーを配布)
15 第1学期について理解力確認の総括。
16 第2学期開始に当たっての留意点確認と第3テキスト輪読開始。
17 第3テキスト輪読継続。
18 同上。
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20 同上。(第4テキストとして雑誌論文を予定。コピーを配布)
21 同上。
22 同上。中間の小テスト(ただし第3テキストの進捗度によっては実施の回が前後することがあります。)
23 第4テキスト輪読開始。
24 第4テキスト輪読継続。
25 同上。
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30 第2学期について理解力確認の総括。
受講者の英語読解力の状況をみて進度は調整します。それに応じてテキストごとの時間配分が変わる可能性もあります。速読というより、何よりまず英語の歴史文献に馴れること、しっかり理解して読み進める力をつけることを重視するからです。授業の進度はそれほど上がらないことが予想されます。能力が高く先へ進みたい受講者には、授業にプラスして別途テキストを用意することも可能ですので、相談のうえ考えましょう。

授業方法

受講者による英文テキスト輪読形式。あらかじめ必要な情報については私から事前に説明します。テキストは指定したページについて事前に予習して来ることが受講者の義務です。字面を読んで来るだけでなく、地名や人名はじめ、分からない事項等については調べて来ることも義務づけます。受講者の数にもよりますが、授業ではランダムに指名して輪読する予定。出席していても輪読に参加できなければ出席とは見なせません。当意即妙に反応できる読解力と対応力があれば別ですが、予習復習は不可欠です。ただし最初はゆっくりしたペースで読み始めるので心配は無用。受講者はしっかり準備して取り組んでほしいと思います。馴れるまでは大変かもしれませんが、ついてくれば間違いなく実力は上がります。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):20%(英語歴史文献読解力)
第2学期(学年末試験):20%(英語歴史文献読解力)
小テスト:20%(テキスト内容の読解力と説明力、文章表現力)
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):40%(出席と輪読への参加貢献度、討論能力、言語表現力)
予習復習が行われているか、授業時間外における英語歴史文献読解への努力(それがうかがえるか)と、日頃の授業での積極性が重要。読解力、説明力、表現力が、評価全体に共通するポイントです。

教科書

特に指定しない。

参考文献

必要なものは授業中に指摘。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

テキストを用いた輪読による演習に近い形式をとるので、受講希望者は第1回目から必ず出席のこと。また評価を得るためには、規定の出席日数を最低限クリアし、学期ごとの小テスト類も必ず受けることが必要です。これらに反した場合には、評価対象から除外されます。オフィスアワーは特にもうけませんが、学修上の相談がある人は申し出てください。日時を決めて話しましょう。