現代日本語研究Ⅰ

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
中川 千恵子 講師 4 2~4 通年 4

授業の目的・内容

 日本語教育の観点から、日本語音声学・音韻論の基礎を学ぶ。前半は、「あいうえお」など単音の発音について、規範的な発音法を知る。日本語の発音記号(国際音声記号IPA)の書き方を身につける。後半は、日本語のアクセント・イントネーション・リズムなどの韻律(プロソディー)について知る。実際の音声を聞いたり発音してみたりすることで、規範とされる体系と自分の発音や他の人の発音との差異について観察し、確かめる。聞き手にとって明瞭な発音、聞きやすさや分かりやすさとは何かについて、受講生自身と共に考えたい。全体を通して、明示的に日本語発音を説明できるようになることを目的とする。

授業計画

1 イントロダクション、音声学と音韻論概要、言語音を作る仕組みについて等、第1学期は、母音や子音等単音の学習をする。声道断面図紹介
2 有声音と無声音、母音と子音、調音点と調音法(覚える)
3 子音(1)破裂音(カ行、ガ行等)IPA学習(少しずつ覚える、以後同様なので省略する)以後の子音の進め方に関しては、適宜微調整する。 
4 子音(2)破裂音(カ行、ガ行以外)
5 子音(3)鼻音(ナ行、マ行)
6 子音(4)摩擦音(ハ行)弾き音(ラ行)
7 子音(5)摩擦音(サ行)
8 子音(6)破擦音(ザ行、チ、ツ等)
9 子音(7)半母音 外来語の子音 
10 音素と異音
11 特殊音素(1) 聴解練習(1)
12 特殊音素(2) 母音の無声化 聴解練習(2)
13 総復習 聴解練習(3)
14 第1学期授業についての理解度の確認
15 自主研究
16 韻律(プロソディ―)、リズム、アクセント、イントネーション概説 聞きやすい発音とは? フレージング・マーク(韻律発音マーク)紹介
17 イントネーション:フレージング(1)句切り(区切れ)を入れる、イントネーションについて考える 
18 イントネーション:フレージング(2)への字型イントネーション アクセント オンライン日本語アクセント辞典紹介
19 イントネーション:フレージング(3)まとめ フォーカス 特殊拍
20 アクセント(1)複合名詞のアクセント とイントネーション、以後のアクセントの進め方に関しては、適宜微調整する。 
21 アクセント(2)動詞のアクセント とイントネーション(以後同様なので省略する)
22 アクセント(3)動詞のアクセント アクセント辞書を使う 
23 アクセント(4)外来語のアクセント フット
24 アクセント(5)形容詞のアクセント
25 アクセント(6)助数詞のアクセント
26 アクセントとイントネーション復習 オンラインアクセント辞書を使う 聴解練習(1)
27 韻律(プロソディ―)復習 聴解練習(2)
28 総復習 聴解練習(3)
29 理解度の確認
30 自主研究

授業方法

 事前の予習より復習が大事です。授業中も授業後も、実際に声を出して確かめることが重要です。授業後の小クイズ実施や、簡単な復習シート等を配布するので、必ずやって復習をすること。また、質問は授業中にどんどんしてほしい。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):40%
第2学期(学年末試験):40%
小テスト:10%
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):10%
範囲が広いので、第1学期に中間試験を実施する。単位が必要なものは必ず受けること。出席をしないと理解しにくくなるということがわかっているので、出席を重視する。試験を受けるためには、70%以上の出席回数を条件とする。

教科書

交際交流基金『音声を教える』(日本語教授法シリーズ2)第1版、ひつじ書房2009年、ISBN=9784894763029
第1学期はこの本を使用するが、第2学期は参考書として受講者が必要に応じて使用する。

参考文献

『さらに進んだスピーチ・プレゼンのための日本語発音練習帳』第1版、ひつじ書房2009年、ISBN=9784894763968
第2学期はこの本を使用する。第1学期教科書は受講者が必要に応じて使用する。購入については、授業時に指示する。

履修上の注意

履修者数制限あり。(40名)
第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

 出席率100%をめざしてほしい(休むと分からなくなり、興味を失うことになるので注意)。 実際に声を出して自分やクラスメートの発音を確かめることが重要なので、恥ずかしがらずに声をだしてたしかめることを楽しんでほしい。