文学・文化コース ゼミナール(3)
文化を読むリテラシー(1)―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
大貫 敦子 教授 2 3~4 第1学期 2

授業の目的・内容

 文化は幅の広い概念で、文学や芸術作品のみならず、日常的な衣服住の領域も含む様々な要素からなるものです。しかし集団のレベルでアイデンティティの問題と絡むと、文化は拘束力を持つものにもなります。特に国家単位で文化が語られる場合、文化は政治的に利用されることにもなります。ドイツの場合には、統一国家の成立が遅かったために、「ドイツ文化」という言葉は時代によって、また使い方によって、自由と結びつく場合も、また偏狭なナショナリズムのために使われる場合もありました。この授業では、ドイツ語圏において文化が語られる場合に、その情報を解読するためのリテラシーを学びます。またドイツ語圏の事例を扱った後で、現在の日本において「日本文化」が語られる言説を解読し、その問題点も考えてみたいと思います。

授業計画

1 イントロダクション
2 「ドイツ文化」が意識され始める時代(1)
3 「ドイツ文化」が意識され始める時代(2)
4 存在しない国家における「ドイツ文化」の探求 (1)
5 存在しない国家における「ドイツ文化」の探求 (2)
6 ドイツ国家の由来と解釈の変容
7 ドイツ批判(ハイネ)
8 ドイツ批判(ニーチェ)
9 ドイツ美術史における「ドイツ的ルーツ」探し
10
11 現代におけるハイブリッド文化
12
13
14 授業のまとめ
15 自主研究

授業方法

授業の初めに、発表テーマ案を提示します。それを参考にして発表テーマを決定します。また回によっては共通テクストについてのグループディスカッションも行います。

成績評価の方法

レポート:60%
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):20%(授業中の発言、グループディスカッションへの積極的な参加を重視します。)
発表:20%

教科書

授業中に指示します。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

「文学・文化コースゼミナール(4)」と合わせて履修しなければならない