学習・認知心理学ゼミナールB

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
澤 幸祐 講師 4 3~4 通年 2

授業の目的・内容

人間や動物が経験によって行動を変えていく学習という現象を扱う学習心理学は,極めて広い範疇を扱う分野だが,そのもっとも基本的かつ重要な話題として連合学習が挙げられる。本授業では,古典的条件づけと道具的条件づけという古くから扱われてきた連合学習に関する研究を取り上げ,その基礎や理論的背景から解説を行いつつ,臨床心理学や神経科学,薬理学といった領域への応用に関して議論を行い,「連合学習の方法論をどう用いるか」に関して理解を深めることを目的とする。また,自ら学習実験を実施することを目標に,PCを用いた実験実施手法、実験課題の作成方法についても取り上げる。

授業計画

1 導入:連合学習とは何か
2 学習研究の歴史的展開:イギリス経験論,機能主義,行動主義
3 古典的条件づけの発見:パブロフ学派
4 古典的条件づけの様々な現象(1)二次条件づけと感性予備条件づけ
5 古典的条件づけの様々な現象(2)条件性制止
6 古典的条件づけの様々な現象(3)味覚嫌悪学習と恐怖条件づけ
7 道具的条件づけの発見(1)ソーンダイクと効果の法則
8 道具的条件づけの発見(2)スキナーと行動分析学
9 強化スケジュールの諸要素
10 回避と罰による行動制御
11 強化子の役割
12 プレマックの原理と反応遮断化理論
13 古典的条件づけと道具的条件づけの相互作用
14 まとめ
15 予備日
16 第1学期の復習:連合学習とはなんだったか
17 時空間情報に関する学習
18 因果関係に関する学習
19 評価条件づけと広告への応用
20 恐怖条件づけの消去と再発の問題
21 ステレオタイプ形成と連合学習理論
22 学習心理実験の方法 pythonとpsychopyの利用
23 学習心理実験の方法 刺激の呈示方法と反応の取得
24 学習心理実験の方法 フロー制御
25 学習心理実験の方法 条件ファイルの作成と利用
26 学習心理実験の方法 実験プログラム作成
27 学習心理実験の方法 データ解析(グラフ作成と記述統計)
28 学習心理実験の方法 データ解析(検定と考察)
29 まとめ
30 予備日

授業方法

教員から講義形式で基礎知識を伝えるフェーズと,参加者と双方向的に議論を行うフェーズの両方の形式で行う。授業の進度によって,PCやレジュメを用いた発表を行ってもらう場合もある。

成績評価の方法

レポート:60%
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):40%

教科書

資料を配布する。

参考文献

授業時に指示する。

その他

受講者との双方向的やり取りを通じて進めていくので,議論に積極的に参加することが望まれる。また内容に応じて論文や書籍などを用いた予習が必要な場合があるので,適宜指示する。教員との連絡はメール(sawa@psy.senshu-u.ac.jp)を用いること。