社会心理学ゼミナールC
社会的適応を巡る諸問題の検討―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
下斗米 淳 講師 4 3~4 通年 4

授業の目的・内容

 社会心理学は、社会的影響のもとにある個人ないし諸個人の行動や経験に貫かれている法則性を探求していく学問です。しかしその法則性を解明することは同時に、置かれた環境における人の社会的適応を理解し促進することに大きな貢献を果たすものでもあります。本ゼミナールでは、この人の社会的適応を巡る諸問題について、近年大きな研究の潮流となりつつある「社会的排除(Social exclusion)」パラダイムを踏まえて、拒絶や排斥、偏見や差別等の社会的排除により引き起こされる心身への影響を理解できるようになることを、第一義的な授業目的とします。しかしそれ以上に、社会の現代的特質と関連づけながら、そこに生きる人々の社会的適応を促進するための方策構築に有用なアプローチを模索していくことを授業の狙いにしたいと考えています。
 受講生には、人の生きづらさ/生きやすさについて、研究知見を体系的に理解しながらそれらを用いて自身の問題意識を醸成し、研究を志向できるようになることを、特に学習目標として求めたいと思います。

授業計画

1 ガイダンスと基調講述
2 研究パラダイム講義
3 文献講読と議論
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16 問題意識の発表と議論
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18 問題意識の展開(研究計画の発表と質疑)
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30 総括
 第1学期においては、下記テキスト及び研究論文を講読し、社会的排除と適応との関係についての基本的理解を図ることにします。その上で、第2学期では、第1学期での議論を前提に、現代社会における人の生きづらさ/生きやすさを吟味するための研究アプローチを全員で模索していく予定でいます。
 なお、議論の方向性や受講者各位の問題意識に応じて、具体的な研究トピックスを拡げていくことも想定しています。

授業方法

 発表要領や議論の進め方等の詳細は、ガイダンス時に説明をしますので、要点だけを以下に記載します。
第1学期ではまず担当教員が最初の適応を巡るアプローチを考えるための講義をします。その上で、下記テキスト全てではなく、その中のいくつかの章それぞれを2,3人が協同で担当し概要と主要な研究論文の発表をし、全員で議論をしていきます。
 第2学期では、各受講者が、前期に理解された研究動向を踏まえ、社会的排斥における人の適応を巡る問題意識を提出してもらい、それを元にグループを再編し、問題意識の展開と研究アプローチを検討していく予定です。
年間を通して、2-3回ほど発表者を務めてもらうことになります。

成績評価の方法

出席状況、発表内容、議論への参画度、問題意識の展開と研究アプローチ構築度:100%(各項目を総合的に判断し評価します。)

教科書

浦光博『排斥と受容の行動科学』、サイエンス社2011年、ISBN=978-4-7819-1224-0

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

既存の知識を蓄積すること以上に、自己考察の場となり得るよう積極的に参加することを求めたいと思います。
授業の狙い及び学習目標に照らした対応をしていきますので、留意下さい。
教員へのアクセス先は下記の通りです。
URL : http://www3.psy.senshu-u.ac.jp/~simotoma/
Mail: shimotomai@psy.senshu-u.ac.jp