幾何学2
葉層構造の幾何学―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
清藤 晃 講師 2 3~4 第2学期 2

授業の目的・内容

葉層構造の幾何学的性質を学ぶ。葉層構造とは多様体上のストライプ(葉とよばれる)模様で、非特異な自励系常微分方程式の解曲線族が初等的な例である。まず、多様体の初心者のために微分可能多様体の基礎事項を丁寧にまとめ、引き続き葉層構造の定義と例、葉の位相的性質、コンパクト葉の安定性などについて学ぶ。視覚的にもわかりやすいように低次元の具体例を多くとりあげる。具体例の解説には Mathematica または Graphing Calculator によるコンピュータ・グラフィクスを活用するが、コンピュータについての知識は不要である。

授業計画

1 微分可能多様体の定義と例 その1。
2 微分可能多様体の例 その2。
3 微分とはめ込み、沈め込み。部分多様体。
4 正則値と横断正則性。1の分割。
5 葉層構造の定義と例 その1。
6 葉層構造の例 その2。
7 葉と特殊写像。接平面場と葉層構造。
8 横断的向きづけ可能性。微分同型の懸垂。
9 葉の位相的性質と横断的一様性。
10 閉葉と葉層構造の極小集合。
11 ホロノミーと葉の安定性。
12 ファイバー・バンドルに横断的な葉層構造。
13 大域ホロノミー。
14 理解度の確認、総括。
15 自主研究。

授業方法

日本語で利用できる文献が少ないので、講義の予稿を印刷物またはPDFで配布する。PDFを希望する学生は第1回の講義にUSBメモリ等を持参してほしい。

成績評価の方法

レポート:100%
レポートを課して評価する。

参考文献

C. Camacho and A. Lins Neto, Geometric Theory of Foliations, First Edition, Birkhauser, 1986, ISBN:9780817631399
田村一郎『葉層のトポロジー』(数学選書)初版、岩波書店1976年、ISBN=9784000060805