◎生命科学研究法2
生物統計―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
杉山 公仁 講師 2 3 第2学期隔週2回
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授業の目的・内容

本授業の目的は、エクセルを用いて正しくデータを解析する能力を体得し、履修機会の少ない生物統計をじっくり勉強することにある。
医薬品開発や遺伝子解析等に係わる研究者は、自ら設定した仮説を検証するために実験を計画し、実験から得られたデータを整理・解析して結論を導く。このデータを得るところから結論を導くまでの過程で統計学的な考え方が必要となる。生物統計の目標は医学・健康科学上の問題に対して統計学的な側面から解決策を示していくことである。本授業では主にデータを解析する視点から統計学的な考え方や方法論を学ぶ。例題を用いて、手を動かしながらじっくりと勉強できるように、エクセルを用いて統計学的知識と技術を身につける。
授業で履修したことは、学部実習や大学院でのデータ解析に直接利用できるだけでなく、社会に出てからも即戦力として使える技術である。

授業計画

1 統計の基礎(1)― 期待値とばらつき(分散)
2 統計の基礎(2)― 分散の加法性、中心極限定理、正規分布
3 1群のデータ解析(1)― 基本統計量の算出
4 1群のデータ解析(2)― グラフ表示と外れ値
5 2群の平均値の比較(1)― t検定(対応のある場合とない場合)、等分散性
6 2群の平均値の比較(2)― 例数設定、ノンパラメトリック法
7 相関・回帰(1)― 散布図、相関係数
8 相関・回帰(2)― 回帰モデル
9 1因子実験(1)― 一元配置分散分析、多重比較
10 1因子実験(2)― ノンパラメトリック法、量的因子
11 乱塊法実験、共分散分析
12 2因子実験 ― 主効果と交互作用
13 計数値の解析(1)― 2項分布、割合の推定と検定
14 計数値の解析(2)― 割合の差の推定と検定、ロジスティック回帰
15 理解度の確認
授業は1時限、2時限を続けて行い、原則として隔週とする。

授業方法

自分でパソコンを操作しながら体得していく学習方法で、計算式や関数を確認しながら進めていく。落ちこぼれはいないようにするが、遅刻や欠席は必ず落ちこぼれる。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):75%
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):25%(習熟度の確認を実施する)
学年末試験 :授業にきちんと出席していればわかる、やったことのあるデータ解析に関する設問であり、複雑な応用問題はない。

教科書

授業では教科書は使用しない。全てパソコン上のパワーポイント資料で講義をする。
それはUSBにインストールして持ち帰ることができる。

参考文献

芳賀敏郎『医薬品開発のための統計解析』、サイエンティスト社2009-2011
本書籍は三部作(第1部基礎,第2部実験計画法,第3部非線形モデル)であり、授業の内容より広範な項目について詳細な説明がされている。授業では必要性の高い項目を中心に取り上げる。

履修上の注意

履修者数制限あり。
第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

全員揃っての進行なので遅刻や2時限からの出席は許されない。